アートは「不要不急」じゃない――コロナ禍の今こそ注目すべきスタイリッシュでクールな力とは

新型コロナウイルスや大規模な自然災害。新たな脅威に私たちはどう向き合っていけばよいのでしょうか。こうした世界規模の問題に目を向けるひとつのきっかけとして、「アート」の力を生かす取り組みが注目を集めています。アイスランド系デンマーク人アーティスト、オラファー・エリアソンの活動を例に、文教大学国際学部准教授の清水麻帆さんがその可能性を探ります。


環境問題に対峙するアーティスト

 アートを通じて、グローバルに環境問題への警鐘を鳴らし続けているアーティストがいます。オラファー・エリアソンです。サイト・スペシフィック(特定の場所を生かした)なインスタレーションの作品を多く制作しています。

 先述にあるように、小さな単位といいましたが、彼のドイツ・ベルリンのスタジオには約100人程度のスタッフがおり、その半数は建築家などで、研究者や科学者なども中には含まれています。まさに、同じ考えや価値観を共有した人々で構成されている小さなコミュニティーといえるでしょう。

 特筆すべきは、彼らはアートを通じて環境問題を表現しているだけではないことです。

アートを通じて環境問題への警鐘を鳴らし続けるオラファー・エリアソン(画像:いちご、Jacob Jorgensen, JJFilm, Denmark)

 彼らは日常的に環境に優しい、地域経済の活性化となる、クリエーティブでサステイナブル(持続可能)なライフスタイルを送っています。たとえば、彼のオフィスは4階建ての古いビール工場です。新たな近代的なオフィスビルではなく、古き良き趣のある建物を改築して、アトリエ兼オフィスにしており、1階には、ガラス工房が入居しています。

 スクラップ・アンド・ビルドをするのではなく、昔の文化的な趣のある建造物をそのまま残しているのです。都市論者のジェーン・ジェイコブスも古きものと新しいものとが共存した多様性のある社会が発展すると論じています。

 また、食生活に関しても徹底しています。オラファーのスタジオでは、週4日毎回100食以上のベジタリアン向けの料理がスタッフに提供されます。この食材は地元で採れたオーガニック野菜で、二酸化炭素排出量などを抑えた循環型農法で生産されているものです。

 欧米で広く導入されている、環境に配慮された地域支援型農業(Community Supported Agriculture)で、地産地消を基本とし、消費者は経営のリスクパートナーとして直接農家と契約し、週に1度配送される生産物を受け取ります(宮津2020)。

環境への意識を体現する暮らし方


【画像】環境問題に「アート」で対峙する 注目の作家オラファーとは?(4枚)

画像ギャラリー

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