止まらない少子化社会が生み出した「小1プロブレム」とは何か? 解決に挑む江東区・杉並区の取り組みとは
2020年9月13日
ライフ1990年代後半から問題視されてきた「小1プロブレム」について、江東区と杉並区が積極的な取り組みを見せています。教育ジャーナリストの中山まち子さんが解説します。
背景にある少子化
教育システムが大きく変化していないなか、小1プロブレムは20世紀の終わりに表面化。その原因のひとつとして考えられるのが、少子化です。

身近に小学生がおらず、学校でどういったことをするのか分からないまま就学すると幼稚園や保育所と勝手が異なり、子ども本人が戸惑う結果となります。
掃除や給食当番など、集団生活を送るうえで必要なことも少なくありません。皆と協力することに慣れていないと苦痛に感じることもあるでしょう。
そのため、園生活と小学校生活の段差を小さくし、就学後に落ち着いて行動ができるよう下地を作ることが求められているのです。
2018年度から施行された「幼稚園教育要領」、「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」と「保育所保育指針」では就学に向けた指導や連携に関する文言が盛り込まれています。
2012年から始まった江東区の取り組み
東京都の自治体ではこれに先駆けるように、江東区と杉並区が小学生との交流を実施するなど、実践的な幼保小連携に力を入れています。
江東区では2012年1月に「江東区保幼小連携教育プログラム」を策定し、季節ごとに就学に向けた交流を行っています。

新型コロナウイルスの影響で例年通りに進んでいませんが、2020年度は4月から6月にかけて、年長児が近くの小学校の校庭を散歩したり、花壇を見たりするなどして、学校の雰囲気を楽しむことからスタートしています。
児童といきなり交流するのではなく、校舎の外から歩かせるのは「小学校はこのような場所」と距離感を徐々に縮めさせる意図があります。
同時期には小学校の先生と幼稚園や保育所の先生が春から入学した新1年生について情報交換会を行い、お互いに今後の指導に活用しています。
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