まるで異世界、五反田の「巨大ビル」地下街に迷い込んでしまった日の話【連載】散歩下手の東京散歩(4)

散歩とは、目的を持たずに歩くことも、寄り道しながら目的地を目指すことも、迷子になってしまうことも、迷子になりたくなくて右往左往することも、すべて包み込む懐深い言葉。出版レーベル「代わりに読む人」代表で編集者の友田とんさんが、この夏に迷い込んだビルの地下街の記憶をたどります。


「あのリプトン」とは様子が違う

 一瞬、「あのリプトンか?」と思ったのですが、どうも様子が違います。もちろん、店の名前は自由ですし、むしろこちらのリプトンの方が年季が入っています。

「あのリプトン?」と私が思うリプトンはそもそも何なのか? あまり深く考えたことはありませんでしたが、これを機会にまた調べてみようなどと考えながら通りすぎます。

 あの雑貨店の店主のコーヒーもこのリプトンから出前してもらったのかもしれないなどと想像していると、通路の脇に明かりがついています。のぞいてみるとそこはオフィスのかたわらにあるような給湯室でした。

 ふつうの客が出入るする通路に、客が使っても平気そうな給湯室があったことに驚き、そして店と客というのが、こんなにもフラットであることに私は少なからず感動を覚えたのです。

皆がよく知っている「リプトン」とは、雰囲気もフォントも違う気がする(画像:友田とん)

 現代では店は店、店員は店員然として、客は客、裏側など客にはのぞかせません。ところが、かつて個人店や家族経営の店が並んだ市場や商店街では、もっとフラットなものでした。

 いつもの客や隣の店主が「ちょっと代わりに店番してて」と店主に頼まれて、店主はその間に昼ごはんを買いに行ったり、用事を済ませたりしたものです。

 なんだかいいものを見させてもらったなとほくほくした気持ちでエスカレーターを登り、ビルの1階に入っていたコーヒーチェーンでコーヒーを飲みながら、見物したことをそうやって思い出します。

16時、今日はもう「営業終了」の札


【画像】「散歩中」に筆者が見たモノ(10枚)

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