バンクシーはなぜ人を熱狂させるのか? 江戸の盗賊「鼠小僧」とルパン三世を例に考える

反骨精神あふれる作風とベールに包まれた人物像で人気の画家・バンクシー。そんなバンクシーと日本でおなじみのキャラクターにはある共通点があると言います。文教大学国際学部准教授の清水麻帆さんが解説します。


落書きからアートへと昇華

 ただ、こうしたグラフィティは単なる落書きではなく美術性を高め、アートとして見なされているものも多く存在しています。

 アメリカ・カリフォルニア州のサンフランシスコ市では、低所得者が多く住む、あまり治安がいいとはいえないミッション地区の街(壁)一面に描かれたグラフィティが人気となりました。

 以前では考えられないことですが、観光客がこれを目当てにこの地区を訪れるようになっています。そうしたなかで、バンクシーはグラフィティ界を代表する世界的に著名なアーティストのひとりです。

バンクシーは一般人から支持されるワケ

 では、なぜバンクシーは支持されているのでしょうか。

バンクシーの作品。2020年8月撮影(画像:清水麻帆)

 先述の通り、公共物への落書きはほとんどの国で違法とみなされます。しかしすでに市民の支持により、バンクシーが描いた壁の絵を保存している場所がいくつも存在しています。

 例えば、彼の生まれ故郷であるイギリスのブリストルにある小学校です。

 新しい校内の建物の名称を地元の英雄にちなんだものにする際、それを子どもたちが決めることとなり、バンクシーと名付けることになりました。学校側は、バンクシーに手紙を送ったところ、後日、お礼の手紙とともに学校の壁に絵が描かれていたといいます。学校の壁はまさに公共物ですが、これを保存することになったのです(ハフィントンポスト)。

 この出来事からも、バンクシーは地元の人たちから愛されていることがわかります。

 また、バンクシーは社会貢献も行っています。

 ブリストルにある120年の歴史を持つユースクラブ(青少年を支援する団体組織)の財政難をバンクシーが絵を寄贈することで救ったことがあります。その作品は40万3000ポンドで売却され、同クラブは活動を存続することができ、現在はスポーツや芸術の分野にも支援活動を広げて活動しています(AFP bb News)。

 ほかにも、コロナ渦のなか、最前線で戦っている医療従事者への感謝を表現した絵がイギリスのサウサンプトン病院に送られています(BBC)。

 直近では、ボートで欧州を目指す難民を救助す支援団体に対して船を寄付しました。すでにこのボートは救助活動を行っており、そのことは2020年8月30日のニュースで報道されました(CNN)。

バンクシー、鼠小僧、ルパン三世をつなぐもの


【画像】現在、横浜で行われている「バンクシー展」を見る

画像ギャラリー

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