オーナーもスタッフも、誰も「猫の出自」を知らない猫カフェが目黒にオープン いったいなぜ?【連載】猫カフェを訪ねて(2)
2020年8月28日
お出かけ愛くるしい猫、やんちゃな猫、怖がりの猫、泰然自若として仙人のような猫。どんな猫にも、生まれ育ちの物語がある――。猫好きによる、猫好きのための連載「猫カフェを訪ねて」。第2回は真っ白な空間で暮らす猫と人間の物語です。
猫も人間も美術も学びも、等しく共存する場
ちなみにお店のコンセプトは「猫のいる喫茶と美術室」。その言葉が表す通り、すでに併設している喫茶機能だけでなく、今後は店内でさまざまな分野のアーティストによる作品の展示や販売も行う予定だそう。

白くて広い壁には、プロジェクターで(人間ではなく)猫が喜ぶ動画を映し出したり、映像を使った「ものづくりワークショップ」を企画したりすることも考えているとのこと。
猫と人間と喫茶、それから美術や学びが並列に存在する空間。やっぱりnecomaは、あまりほかにはない猫カフェと言えそうです。
少しずつ広がる「保護猫の譲渡」の後押しに
環境省の調べによると、2005(平成17)年に全国でわずか3店舗しかなかった猫カフェは、2015年には約300店まで増加。東京都内では同年10月時点で全国最多の58店が営業していて、その後さらに増えていると考えられます。
同調査では、猫の譲渡活動も行っている猫カフェは全体の33%と、まだ少数派。
ただ前述の通り少しずつ認知も広まりつつあって、necomaでは11匹のうち、早速5匹に譲渡の申し出がありました。空いた定数と同じだけ、またリトルキャッツから猫を引き取り、新たな飼い主が現れるのを待ちます。

「皆、一刻も早く里親が見つかってもらわれていってほしいんですよ。どの子も一緒にいたらかわいくて情が移っちゃうから。ねえ、ビート」
スズキさんが、近くにいたオスのロシアンブルーに声を掛けました。
人間の事情など知らない猫は、オジサンみたいにくつろいだポーズで壁にもたれて、窓から入る夏の日差しにただウトウトまどろんでいました。
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