国際都市「東京」を生み出した90年代後期の「アジア言語ブーム」とは何だったのか

1990年代後半から始まったアジア言語ブーム。その背景には何があったのでしょうか。20世紀研究家の星野正子さんが解説します。


源流はエスニック料理ブームにあり

 そんななか、人気となっているのが東南アジアの言語です。

 韓流(はんりゅう)ブーム以来、韓国語教室に女性が多いことはよく知られていますが、近年はタイやベトナム、インドネシアなどの言葉を趣味で学ぶ人も増えています。

千代田区神田駿河台の「アテネ・フランセ」(画像:(C)Google)

 前述のようにビジネス目的で学ぶ人も多いのですが、それ以上に多いのが趣味で学ぶ人たちです。

 東南アジアの言語を学ぶ人が増加し始めたのは、1990年代後半でした。その背景にあったのが、エスニック料理のブームです。

 このブームは1980年代に起こった「激辛ブーム」の延長で、東南アジアの料理は辛いものが多いと話題になり、アジア各国の料理を扱う店が都内に増加します。

鍵となったのは、若い女性と円高

 料理に続いて、音楽や映画なども注目を集めるように。1990年代には早くもワールド・ミュージックが人気となります。

「ワールド・ミュージック」は元々、差別的なニュアンスを含んだ「エスニック・ミュージック」という言葉を避けたい民族音楽研究者らが1950年代から使い始めた言葉ですが、この頃には一通りはやった西欧音楽とは異なる、アジアやアフリカなど、あらゆる国の音楽を意味するようになります。

 こうして、それまでの「外国から入ってくるもの = 西欧物」という常識に変化が訪れ、加えて円高で気軽に旅行へ出掛ける人が増えたことで、東南アジアの言語を学ぶ人は増えていったのです。

 当時出版された『流行観測95-96』(パルコ出版)によれば、東南アジアの言語は特に女性への人気が高く、

「ビジネスとは関係なさそうな若い女性が過半数以上を占めている学校も多い」

と記されています。

1995年に出版された『流行観測95-96』(画像:パルコ出版)

 とにかく「なんで、この言葉を学びに来ているのだろう」という人が熱心に学習している光景が広がっていました。

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