東京・多摩エリアの一部がなぜか市外局番「03」を使っている理由

市外局番「03」といえば、東京23区を思い浮かべる人が多いはず。しかしこの番号、実は23区以外の一部地域でも使われているのです。どのような歴史的背景があるのでしょうか。フリーライターの県庁坂のぼるさんが解説します。


同じ団地なのに「市外通話」?

 この多摩川住宅は調布市染地と狛江市西和泉にまたがる地域に整備されました。このときに電話線は調布電話局から敷かれることになりました。結果、多摩川住宅の一部は同じ狛江市なのに市外局番が042になってしまったのです。

 この1966(昭和41)年10月以降の電話料金は、市内通話が3分7円なのに対して市外通話は80秒で7円に設定されています。つまり、多摩川住宅とほかの地域は同じ狛江市なのに、市外通話料金がかかってしまうという大変不便な地域になっていたのです。

 この狛江市と似たような事例は、ほかの地域でも起きていました。

調布市にある桐朋学園仙川キャンパスの電話番号は「03」で始まる(画像:(C)Google)




 調布市にある桐朋学園大学仙川キャンパスは市外局番が「03」。ほか、入間町・国領町8丁目・仙川町・西つつじヶ丘2丁目・東つつじヶ丘・緑ヶ丘・若葉町も市外局番は「03」。三鷹市は中原2丁目だけが「03」。

 つまり、いずれも現在の世田谷区側から電話線を敷いた名残として、同じ市域で市外局番が違っているのです(ちなみに調布市は市外局番が四つあります)。

 市内に電話しているのに無駄に料金が掛かってしまうことは問題となり、1980年代前半には各市の市長とNTTの話し合いが行われています。さらに、1991(平成3)年の都知事選に立候補した元NHKキャスターの磯村尚徳(いそむら ひさのり)は、公約のひとつに「都内の市外局番をすべて『03』にする」を掲げています。

 この問題は2000年代初頭まで尾を引きました。2001(同13)年に保谷市と田無市が合併して誕生した西東京市でも「0424」と「0422」に市外局番が別れていることもあり、東京都もNTTに改善を求めました。

 ところが、NTTは「その地域の契約者全員の合意が条件」と、かなりハードルの高い条件を示しています。

 この当時、NTT東日本の市内通話料金は3分8.5円。市外は3分20~40円と設定されていました。2000(同12)年度の営業収益は市内通話が100億円の赤字なのに対して、市外通話は1億円の黒字でした(『東京新聞』2002年6月3日付朝刊)。

 経営サイドにしてみれば、なかなか統一とは言い出せません。

次第に薄れた「03統一」運動


【地図】都心じゃないのに「03」、「狛江市」の場所を確認する

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