【実録 東京人vs関西人 4】上京した関西人は愛してやまない「関西弁」を、あえて東京でも使い続けるべきか

江戸・東京と、関西・関西人との結びつきを考える、ジェイ・エム・アール生活総合研究所社長の松田久一さんの連載(全4回)。最終回は、東京在住の関西人の将来と、鍵を握る関西弁について考えます。


「建前嫌い」な関西人が生み出す突破力

 他方で、強烈な個性とアイデンティティーを持った関西人は同質化せずに、次から次へと新しい世代の関西人を東京に送り出し、東京の中でユニークな存在としての役割を持ち続けるでしょう。

 標準語が支配するコミュケーションの中で、関西弁が新たな視点を発掘してくれることがあります。

重苦しい会議の中、何か面白いことを言いたくて仕方ない関西出身男性のイメージ(画像:写真AC)

 標準語では建前が貫かれることが多いです。そのような例えば堅苦しい会議の場で、「ホンマか?」は硬直した議論を破壊し、新たな視点を提示できることがあります。問題解決の発想でも、「ホンマ?」と関西リアリティーで数回問うことにより、より現実的な解決策が生まれることがあります。

 難しくいうと、標準語しか話さない人は、「話す言葉」も「書く言葉」=標準語という言語パッケージが装備されています。一方で関西人は、「話す言葉」=関西弁、「書く言葉」=標準語というような構造になっているので、話し言葉の視点でよりリアルに現実を捉えることができるのかもしれません。

 関西人が「建前嫌い」で「本音好き」という独特のリアリティーを持っているのは、このためです。

関西出身の偉大な諸先輩に続け

 関西弁で思考してユニークな業績をあげたのは、研究者では、湯川秀樹(物理学者)、今西錦司(いまにし きんじ、生物学者)、高坂正堯(こうさか まさたか、政治学者)、河合隼雄(かわい はやお、心理学者)などが挙がります。

湯川秀樹氏の功績を伝える、大阪大学総合学術博物館 湯川記念室のサイト(画像:大阪大学総合学術博物館 湯川記念室)

 経営者なら、戦前の小林一三(阪急)、松下幸之助(現・パナソニック)、佐治敬三(サントリー)、山内博(任天堂)でしょう。彼らの業績には、関西人の持つリアリティーが見事に生かされています。

 こうした視点は、異文化を持つ人間にしかできません。異質な人と異質な人との出会いが新しい創造を生み出します。

 関西人は、標準語をもとにした同質的な日本人集団の中で、異質な存在であり続け、日本創造力の源泉となるかもしれません。お互いが違うことによって、江戸は大阪との相互依存の繁栄システムを築きました。

 東京に住む関西人として、そう願いたいです。


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