J-POPの歌詞から「クルマ」と「道路」が知らぬ間に消え失せたワケ

「クルマ」や「道路」は1970~80年代のJ-POPで多く歌われていた。しかし現在はあまり聞きません。いったいなぜでしょうか。法政大学大学院教授の増淵敏之さんが解説します。


印象的だったヨコハマタイヤのテレビCM

 再び、1970~80年代に話を戻しましょう。

 当時はJ-POPにとってテレビCMのタイアップ全盛時代でした。1980年代後半からテレビドラマの主題歌やバラエティー番組の主題歌がマーケットをけん引していきますが、当時のテレビCMにおいて、クルマは重要な位置を占めていました。

 CMソングも山下達郎、井上陽水、オフコース、サザンオールスターズなど、国内トップアーティストの楽曲や洋楽が多く流されていました。

 今回注目したいのは、1981(昭和56)年のヨコハマタイヤ(横浜ゴム)のテレビCMです。

 CMには、レコード大賞をとった寺尾聰(あきら)の「ルビーの指環」(1981年)と「Shadow City」「出航 SASURAI」(ともに1980年)が使われました。また、2019年に亡くなった元F1世界チャンピオンのニキ・ラウダがクルマで走る姿も実に印象的でした。

 以降、ヨコハマタイヤは寺尾聡の楽曲アレンジャーだった井上鑑、寺尾が所属していた東芝EMIのシティポップ系アーティストを次々に起用していきます。具体的には、

・稲垣潤一「ロング・バージョン」
・安部恭弘「WE GOT IT」
・鈴木雄大「レイニーサマー」

といったところでしょうか。

1983年発売の稲垣潤一「ロング・バージョン」(画像:EMIミュージック・ジャパン)




 クルマの存在が若者にとって今よりも大きかった時代には、J-POPの歌詞が描く物語にクルマが都会のおしゃれな生活を彩る欠かせないアイテムとなり、それにともない道路の名前も具体的に登場していました。

 そんな歌詞の楽曲とテレビCMとのタイアップ効果により、クルマのイメージが若者たちに広がっていったのです。

新たなJ-POP誕生の可能性も


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