東京でアニメキャラに会える街5選 葛飾、世田谷、荒川……さて、何の作品かお分かり?

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東京でアニメキャラに会える街5選 葛飾、世田谷、荒川……さて、何の作品かお分かり?

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増田剛己

散歩ライター

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地方ではアニメのキャラクターを活用した町おこしが盛んですが、東京にも数々の有名作品のキャラたちに会える街があります。皆さんはいくつご存じですか?

亀有……言わずと知れた「こち亀」の両さん

 2006(平成18)年、テレビのニュースでJR亀有駅の駅前に両津勘吉の像ができたことを知り、行ってみようと思いました。

 両津勘吉とは、ご存じ秋本治さんによる『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(略して「こち亀」)という漫画の主人公で、僕(増田剛己。散歩ライター)はこの漫画の大ファンだったのです。

『週刊少年ジャンプ』に連載が開始されたのは僕が高校生の頃で、ずっと読み続けていました。1980年代半ばに上京してすぐ亀有公園(葛飾区亀有5)というのを探しに行ったこともあります。

2006年に建てられた亀有駅北口の両津勘吉像。その後、駅周辺には両津勘吉をはじめ他のキャラの銅像も次々と造られていった(画像:増田剛己)



 その公園は亀有駅の北口からすぐの場所にあるのを発見しました。漫画と同じ名前の派出所はありませんでしたが、形がよく似た派出所が駅前にあるのを見つけたりもしました。

3次元化されたアニメキャラに会うのは新鮮

 僕がウェブサイトを中心に散歩の原稿を書き始めたのが前年の2005(平成17)年のことで、両津勘吉像のことを記事にしました。亀有駅周辺を散歩して、関連のグッズなどを買い、それらをリポートしたのです。

両津勘吉と、秋本・カトリーヌ・麗子(右)、中川圭一の像。着色もされていて生き生きして見える(画像:増田剛己)

 こうして、漫画やアニメのキャラクターが2次元ではなく3次元で登場して、街の景色の中に溶け込んでいくのはなかなか楽しいものだと思いました。

 その後、新たに別の両津勘吉像が建ったとか、「こち亀」の他のキャラクターも銅像になったというニュースを聞くたびに亀有駅を訪れました。駅周辺の像を見た後で、地元のパン屋さんとか弁当屋さんでランチを買い、近くの公園でいただきました。

 亀有には先ほど書いた亀有公園のほかに曳舟親水公園(同区亀有4)もあり、ランチを食べる場所はたくさんあります。散歩するには楽しい場所です。

世田谷……昭和の日本を代表する一家の銅像

 サザエさんの街、世田谷区桜新町へは2008(平成20)年に初めて訪れました。さすがにサザエさんの町だけあって、あちらこちらにサザエさんの絵があります。「サザエさん通り」というのもありました。

 この通りをまっすぐ進むと長谷川町子美術館(同区桜新町)があります。長谷川町子さんは漫画『サザエさん』の作者ですね。サザエさんに関する資料なども多数展示してあります。

サザエさんの町、桜新町のあちらこちらに磯野家の人々の銅像がある(画像:増田剛己)



 そして、テンションが上がるのはオリジナルグッズが売られている売店です。このとき買ったトートバッグは、持ち手のところがボロボロになってしまいましたが、気に入っていてまだまだ買い物のときに使っています。

家からひょっこり出てきたような等身大サイズ

 2012年にこの桜新町にサザエさん一家の銅像ができたというのをニュースで知りました。その後、話題になったのは波平さんの髪の毛が抜かれ、持ち去られるというニュースです。

 見に行こうと思いながらも、なかなか行けず、やっと行けたのが2014年。銅像はひとつではなく、街のあちらこちらにサザエさんの銅像がありました。サザエ、カツオ、ワカメ、タラ、マスオ、波平、フネといった磯野家の顔ぶれもそろっています。

 駅からすぐの場所や、サザエさん通りをまっすぐ行った交番の前などにいました。

波平の銅像は、たった1本しかない頭髪を持ち去られるという被害に遭ったことも(画像:増田剛己)

 まさに等身大といったサイズ感なので、磯野家の人たちがそのまま家から出てきたような雰囲気です。いっしょに記念撮影するのもアリですね。銅像を見ながらご飯をいただける飲食店があったりして、楽しみもいろいろです。

 町の名前の通り、桜が多く植えられているので花の咲く季節に訪れるのもいいでしょう。秋は秋で桜の葉がオレンジ色に色づいて、これもまた見ごたえがあります。

南千住……少年がボクシングに明け暮れた街角

 僕が東京に来てまず行きたいと思っていた場所が亀有公園前派出所だったことは書きましたが、同じように泪橋(なみだばし、荒川区南千住)にも行ってみたいと思っていました。

 JR南千住駅から歩いて泪橋を探してみました。漫画『あしたのジョー』の舞台となっていた場所です。

 漫画の中で、かつて強豪ボクサーだったけれど、やがて酒浸りになってしまった丹下段平の「丹下ジム」があった場所です。不良少年だった主人公・矢吹丈は、丹下段平にボクシングの才能を見い出されジムで練習するようになります。

場所は台東区日本堤1丁目。土手通りに矢吹丈がたたずんでいる(画像:増田剛己)



 矢吹丈がロードワークをしていたのが「ドヤ街」と呼ばれていた山谷地区です。なぜドヤ街かといえば、ヤド(宿)をさかさまにした言葉で、ここは日雇い労働者たちの簡易宿泊所があった場所でした。

 初めて訪れたときはまだ怖いイメージがあって、泪橋という交差点を見ただけで、山谷あたりまでは散策しませんでした。

 山谷がそんなに怖くはないと思い始めたのは2000(平成12)年になってからでしょうか。少しずつ散策して、2008年には散歩記事も書きました。

公園にたたずむ主人公とヒロインのパネル

 このころは矢吹丈の銅像はまだありませんでしたが、あるとき散歩の途中に見つけました。それが2015年のこと。矢吹丈は土手通りにいました。

 色がついているので、なんだかアニメから飛び出てきたような感じです。

玉姫稲荷神社には、矢吹丈と、作品のヒロイン白木洋子のパネルが(画像:増田剛己)

 さらにこの近くにある玉姫稲荷神社(台東区清川)では、矢吹丈とともに「あしたのジョー」に登場する白木葉子のパネルがあります。

 近隣には昔ながらの商店街があったりするので、散歩するのは楽しいエリアですね。

調布……偶然の出会いもまた楽しいもの

 まったく知らず、散歩に出掛けた先で偶然アニメキャラに出会うこともあります。

 吉祥寺から三鷹を抜けて深大寺(調布市)あたりまで歩いたときのこと。深大寺に「鬼太郎茶屋」というのがあって、「ゲゲゲの鬼太郎」ゆかりのものなどが売られていました。

ぼんやりしていたら見落としてしまいそう。どこにキャラがいるか、分かりますか?(画像:増田剛己)



 まだNHKの朝ドラ「ゲゲゲの女房」が放送される前、2007(平成19)年のことでしたが、けっこうな人気でした。さらに深大寺から調布駅へ歩いたのですが、駅前の商店街にはゲゲゲの鬼太郎のキャラクターたちがたくさんいました。

 葛飾区を散歩したときは、亀有の「こち亀」メンバーだけでなく、街のあちらこちらで「キャプテン翼」のキャラクターにも出会えました。

練馬……キャラ入れ食い状態のお得スポット

 一度にもっと多くのキャラクターに会いたければ、練馬区の大泉学園駅へ行くのがいいでしょう。

 大泉学園駅北口のペデストリアンデッキにある「大泉アニメゲート」(練馬区東大泉)には、たくさんのアニメキャラクターの銅像が並んでいます。どんなキャラがいるかといえば「鉄腕アトム」のアトム、「銀河鉄道999」のメーテルと星野鉄郎、前出の「あしたのジョー」矢吹丈、「うる星やつら」のラムちゃんなど。

 このあたりに漫画家さんが多くいたり、日本のアニメ界の草分けともいえるジャパンアニメーション発祥の地だったりするからだそうです。

 興味のある人は訪れてみてはいかがでしょうか。

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