渋谷センター街すぐそばに「アフターコロナ時代」を予期した坂があった【連載】拝啓、坂の上から(4)

コロナ禍の「ソーシャルディタンス」などで話題となった、人と人の距離。そんな距離について改めて考えさせられる坂が渋谷区にあると言います。フリーライターの立花加久さんが解説します。


反転文字で坂の名前を刻んだ石碑

 坂下にたたずむとまず目に付くのが、千客万来を祈願した2体が寄り添う道祖神の石像です。

 さらに坂を登り切った左側には、まるで落款印(らっかんいん。書・絵画などに押す印鑑)のように反転させた文字で坂の名前を刻んだ石碑も設置されています。

「間坂」近くに設置された道祖神(画像:立花加久)

 間坂を管理するロフト(千代田区九段北)に聞くと、当時「ロフト」全体のデザインを担当した田中一光、小池一子、杉本貴志といった日本を代表するクリエーターたちによって間坂はデザインされたそうで、当初は坂の中腹に打ち水もできる手押しのポンプ井戸や縁台を設置し、井戸端もしつらえてあったといいます。

間坂で考える世の「まさか」

 さてこの坂のある渋谷地域は、もともと太古から注ぎ込む渋谷川や宇田川などによって削られ造成された谷間で、傾斜地が随所にある「坂の街」として知られています。

 そのため渋谷の街をブラブラと歩いていて突然この坂に出くわすと、「“まさか”こんなところに坂が」という戸惑いと同時に、この坂を上がり路地を通り抜けた先にはなにか面白おかしいことがあるかもと期待させる、街のアクセントになっているように思えます。

つい見逃しそうになる「間坂」の石碑(画像:立花加久)

 今回のコロナ渦では、日常的な他人との間隔や衛生観念の見直しなど、戦後の日本人が経験しなかったさまざまな「まさか」が起こりました。

 これからのアフターコロナ時代を想像すると、この坂の名前はこれまでに増して感慨深く感じられるのでした。


【地図】渋谷の繁華街にある「間坂」をチェックする

画像ギャラリー

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