渋谷センター街すぐそばに「アフターコロナ時代」を予期した坂があった【連載】拝啓、坂の上から(4)

コロナ禍の「ソーシャルディタンス」などで話題となった、人と人の距離。そんな距離について改めて考えさせられる坂が渋谷区にあると言います。フリーライターの立花加久さんが解説します。


「人間」について考えさせたコロナ禍

 そんな畳を基準とした日本人のパーソナルスペースも、近代の洋風化や都市生活の変化など、時代や社会の動きに合わせながら柔軟に変化し続けてきたのかもしれません。

 日本が世界に誇る「おもてなし」も、このパーソナルスペースを一時的に狭くし、寄り添わないと成立しませんし、相手のパーソナルスペースに入らなければ、スマートフォンの地図サービスをのぞき込み、顔をつきあわせて道も教えることはできません。

「コロナ対策 東京かるた」のポスター(画像:立花加久)

 日本女性が優しくて親切だと、世界中の男性の間でたたえられているのも、日本女性の方が海外の女性よりもパーソナルスペースが狭く、海外の男性にとって親密に感じさせるからだとも一部では言われています。

 しかしそんな日本人の対人距離も、今回のコロナ渦で以前よりも大きくなり、どこかよそよそしくなったように感じられます。加えて顔の表情もマスクでわかりにくく、意思の疎通もままならない始末。「人の間」と書く「人間」の意味を改めて考えさせられました。

ロフトに沿って続く上り坂

 そんな人と人との関係性にコミットした坂が都内にあるのをご存じでしょうか。場所は渋谷のど真ん中、その名もまさかの「間坂(まさか)」(渋谷区宇田川町)です。

 坂下の井の頭通りから公園通りを結ぶこの坂は、正式名称を「特別区道第979号線」と言います。

人通りが絶えないロフトの入り口の「間坂」(画像:立花加久)

 間坂は、1987(昭和62)年にオープンした生活雑貨専門店「渋谷ロフト」(同)に合わせて作られた比較的新しい坂です。もともと西武百貨店の納品口があった人通りの少ない路地を舗装し、小道として新たに誕生させたのでした。

 名前は一般公募で選ばれ、抽選で選ばれたひとりに坂の街として世界的に有名な、米国のサンフランシスコへの旅行が当時プレゼントされています。

 ちなみに名前の由来は、ファッションビルや映画館が立ち並ぶビルとビルの「間」にあることと、行き交う人と人との「間」をイメージしたそうです。

反転文字で坂の名前を刻んだ石碑


【地図】渋谷の繁華街にある「間坂」をチェックする

画像ギャラリー

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