上陸難易度はトップレベル、日本初の原生自然環境保全地域「南硫黄島」をご存じですか【連載】東京無人島めぐり(3)

東京都内に330もある島――その中でも無人島の歴史についてお届けする本連載。3回目となる今回の島は「南硫黄島」。案内人は、ライター・エディターの大石始さんです。


2017年6月、16日間に渡る調査を実施

 2007(平成19)年6月には小笠原諸島の世界自然遺産登録を前に、実に25年ぶりとなる環境調査が実施。

 それから10年後となる2017年6月13日からは、東京都と首都大学東京(現・東京都立大学。八王子市南大沢)、NHKによる共同調査が16日間に渡って実施されました。

 このときの調査ではリュウキュウノミガイ属の新種が発見されたほか、過去の調査ではわずか1頭のみが確認された南硫黄島固有のゾウムシ、ミナミイオウスジヒメカタゾウムシが再発見されるなど、大きな成果を残しました。

再発見されたミナミイオウスジヒメカタゾウムシ(画像:神奈川県立生命の星・地球博物館)

 また、このときはドローンを使った広範囲の調査も行われ、その結果、アカアシカツオドリの集団営巣地が国内で初確認されることにもなりました。

かつては数人の漂流者も

 人間の上陸を拒んできたこの南硫黄島にも、過去には数人の漂流者がいました。

 1886年(明治19)年には函館から青森の下風呂村(現・風間浦村)に渡ろうとしていた船が数か月の漂流の果てに漂着。9人の船員のうち佐賀喜作ら3人が島に残り、母島の漁船に救出されるまでの約3年半を島で生き抜きました。

 2004(平成16)年には広島のプレジャーボートが北東岸に座礁。9人が救助を待つために島へ上陸しました。

 そのように、一般人は漂流でもしないかぎりは上陸できない南硫黄島ですが、2017年6月の調査は翌年に放映されたNHKスペシャル『東京ロストワールド』で放送され、2020年9月27日まではNHKオンデマンドで視聴可能とのこと。

営巣中のアカアシカツオドリ(画像:森林研究・整備機構森林総合研究所)

 こちらの番組では一般人は決して見ることのできない秘境中の秘境・南硫黄島の貴重な自然環境がたっぷり紹介されており、視聴の価値ありといえるでしょう。

呼称は「じま」から「とう」へ


【地図】東京の南方へ約1300km、絶海の孤島「南硫黄島」の位置をチェックする

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