出生率ワースト1位なのに都心の子どもだけが今も増え続ける東京事情

合計特殊出生率が全国最下位の東京。その一方、就学児童の数は過去20年間で増加傾向にあるといいます。いったいなぜでしょうか。教育ジャーナリストの中山まち子さんが解説します。


若い世代やファミリー層の流入

 そもそも東京の出生数が増加し続けているのは、全国から若者が就職や進学を機に東京に集まっているためです。

東京都の区部(23区)と市部の出生数の推移。区部は増加傾向にあり、市部は減少傾向にある(画像:東京都福祉保健局のデータを基にULM編集部で作成)

 2018年の東京は、7万9844人の転入超過(転入者が転出者を上回ること。数値は外国人を含む)となりました。年代別で見ていくと、20歳から24歳までは5万4124人の転入となり、全体の約68%を占め、突出しています。

 若者が集中するということは、裏を返せば独身男女の出会いも自然と多くなることを意味しています。都会の若者は結婚しない、未婚者も多いと指摘されることも多いですが、2019年の全国の婚姻件数は58万6438組に対し、東京都の件数は全体の14%となる8万2716と大きな数値となっています。

 東京都の初婚年齢は、夫が32.3歳、妻は30.4歳と晩婚化が進んでいます。しかし人口1000人当たりの婚姻件数を表す「婚姻率」の2018年の全国平均が4.7に対し、東京都は6.2と高くなっています。

 これらの結果から、東京で結婚し、出産する夫婦が予想以上にいることがわかります。

繰り返される転入超過と転出超過

 東京のデータで気になるのは、0歳から6歳は転出超過(転出者が転入者を上回ること)という点です。東京で生まれても、家族の転勤や転職などで他の自治体へ出ていく子どもが多いことがわかります。

転勤による引っ越しのイメージ(画像:写真AC)

 しかし就学年齢となる7歳以降は転入超過に転じ、その傾向は30代半ばまで続きます。34歳以降は一転して転出超過が続きますが、再び45歳から50代前半は転入超過に変化していきます。

 東京で結婚や出産を経験し、30代半ばから地方支店で勤務し、再び本社勤務のために東京へ戻ってくる層が相当数いるのです。労働人口の動きが、幼児の人口の転出に影響を与えていると考えられます。

23区は子育て可能な大都市へ


【1位は何県?】出生率の「都道府県別ランキング」を見る

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