今やカフェの定番 「エスプレッソ」はいつから日本人に飲まれるようになったのか
2020年6月11日
ライフ今やすっかり同じとなったエスプレッソ。そんなエスプレッソですが、いつごろから日本で普及したのでしょうか。フリーライターの猫柳蓮さんが解説します。
先駆けた味の素
そんな日本でも、古くからエスプレッソの存在は知られていました。
UCCカフェプラザでは1987(昭和62)年、エスプレッソが既にメニューに入っています。価格も150円となかなかお得な価格です。
前述のように、イタリアはエスプレッソに砂糖を入れて楽しむわけですが、日本は「この苦みがおいしい」といった調子で徐々に人気が出てきます。

ここで最初に普及に乗り出したのは、味の素(中央区京橋)。1988年1月に「TRAD」のブランド名でエスプレッソを缶コーヒーで発売します。
当時の記事はエスプレッソを、
「長時間ばいせんした豆を素早く抽出したもので、濃厚でほろ苦い味がする」(『読売新聞』1988年1月3日付)。
と解説しています。
今では当たり前となったエスプレッソですが、当時はそのくらい解説しないと知らない人が多かったわけです。
「TRAD」はヒット商品になり、翌1989年1月には、味の素ゼネラルフーヅ(現・味の素AGF)から「AGF プライムコレクション エスプレッソ」が発売されています。これは、今も販売されているエスプレッソタイプのインスタントコーヒーの元祖です。
ヒットしたエスプレッソメーカー
当時、イタリア料理店が増えていたこともあり、「イタリアでは脂っこい料理を食べた後で、濃いエスプレッソを飲むんでさっぱりする」という知識がまことしやかに伝えられていました。
そこに濃いコーヒーを求める需要が相まって、エスプレッソは人気になっていったわけです。

都内の東急ハンズは、1990(平成2)年に早くもエスプレッソメーカーを販売。月に100個あまり売れる人気商品になりました。
こうして徐々にエスプレッソに親しむ人が増え、「単に量が少なくて、苦くて濃いだけじゃない」と疑問に思う人たちが増えたところにやってきたのが、スターバックスだったわけです。

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