鼻孔をくすぐる郷土の香り 都内に進出加速「地方発コーヒー店」の魅力とは

近年、地方発のカフェが都内に続々進出しています。その魅力とはいったい何でしょうか。法政大学大学院政策創造研究科教授の増淵敏之さんが解説します。


札幌発のカフェも

 また日本橋や新橋駅前などにある「宮越屋珈琲」は札幌発のカフェです。

 1985(昭和60)年、札幌の円山地区にて創業。現在は宮越商事、ミヤコシヤサンズ(ともに札幌市)が展開し、北海道を中心に業務委託含めて27店舗を構えています。日本橋と新橋駅前のほか、東京には銀座や恵比寿、目白、町田に出店。

 同店のルーツは、宮越屋という札幌の老舗旅館です。2代目の息子たち3人はそれぞれにカフェを経営し、同チェーンの創業者は末っ子にあたります。

 さて「宮越屋珈琲」は店舗によっては店名を変えるほど、各店舗の個性が異なります。創業者が学生時代に歌手・中島みゆきとギター仲間だったこともあってか、店舗の幾つかは音楽を意識した造りになっています。

「宮越屋珈琲 新橋店」の外観(画像:(C)Google)

 東京の店舗でもっとも北海道の店舗に近いのは新橋店(港区新橋)です。れんがを使った内装やテーブル、椅子などの調度品は本来の「宮越屋珈琲」の雰囲気を漂わせています。筆者(増淵敏之。法政大学大学院教授)もかいわいに用事があるとき、足を向けるカフェのひとつです。

茨城からの刺客

 さらに現在話題になっているのは、1969(昭和44)年に茨城県ひたちなか市で創業した「サザコーヒー」です。同店も「宮越屋珈琲」同様、異業種からの転換です。「サザ」とは、茶道の表千家の「且座(さざ)式」という儀式が由来となっています。

 もともとは1942(昭和17)年開場の「勝田 宝塚劇場」という映画館から始まり、1989(平成元)の本店建設に伴い映画館は廃業、本格的にチェーン展開を行っていきます。

 2005(平成17)年に、エキュート品川(港区高輪)で初めての東京出店を果たします。現在は品川のほかに丸の内、二子玉川に出店。都内外の直営店だけで14店舗を展開しています。

世界初のゲイシャ専門店・「サザコーヒー KITTE 丸の内店」の外観(画像:サザコーヒー)

「サザコーヒー」の大きな特徴は、コロンビアにコーヒー豆の自社農園をふたつも所有していることです。コーヒーを文化として捉える経営者の姿勢が、「サザコーヒー」の哲学なのでしょう。

 一時のはやりに迎合するのではなく、自社農園で採れたコーヒー豆を使用したり、各国のコーヒー生産者と提携して高品質の豆を買い付けたりしてできた現在のコーヒーは、一種の芸術と呼ぶことができます。

東京で「地方発」を味わえる喜び


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