千葉や埼玉にあるのになぜか「東京」――地名と実態が合わない施設に関する一考察【連載】東京うしろ髪ひかれ地帯(3)

千葉にあるのに東京、埼玉にあるのに東京――。首都圏にはそのような施設が多く存在します。「看板に偽りあり」か、面白スポットか。都内探検家の業平橋渉さんが持論を展開します。


東京に隣接する川口市の奇妙な一体

 さて東京を名乗る施設ですが、埼玉県にもそのような施設が集中しているエリアがあるのをご存じでしょうか。

 それは、埼玉県川口市。詳しくは、市最南部にある北区・足立区と接するエリアです。ちょうど荒川から隅田川が分流する岩淵水門(北区志茂)と、荒川に芝川が流れ込む芝川水門(埼玉県川口市)のあたりといえばよいでしょうか。

 この川の川口市側は、工場と倉庫が立ち並ぶ地域です。住所は埼玉県川口市ですが、並んでいる企業の看板が奇妙なのです。

点線から北側が埼玉県川口市。南・東側は東京の北区・足立区(画像:(C)Google)

「川口工場」「川口営業所」という看板に交じって、「東京工場」「東京センター」という看板がちらほら現れるのです。

「目の前は東京都なんだから、施設の名前は東京でいいじゃないか」
「いやいや、正直に川口としましょう」

 施設を造るときに、各社でこのような議論があったのではないかと容易に想像できます。

 地形で俯瞰(ふかん)してみると川によって隔てられているため、川口市の一部ということは間違いありません。それでも、東京を名乗ったほうがいいという何らかの「イメージ戦略」があったのでしょうか。

「東京」は増殖するか

 かつては工場群などが多かった川口市ですが、近年は東京のベッドタウンに激変しています。住人も都内へ通勤する人が多く、ほぼ東京の一部となっていることを考えると、川口市の施設が東京を名乗っても、なんら違和感はありません。

 都内から移動するだけで小旅行気分が味わえる成田空港が、2004(平成16)年まで新東京国際空港を名乗っていたことに比べたら、まったく問題はないでしょう。

大都会・東京のイメージ(画像:写真AC)

 埼京線や京浜東北線沿線も、ここ数年で再開発が進んでいます。かつての千葉県のように、埼玉県にも次第に「東京」が増殖していくのでしょう。

 地名と実態の乖離(かいり)、皆さんはどうお考えですか?


【地図】埼玉県なのに、なぜか「東京」が密集するエリアを確認する

画像ギャラリー

/wp-content/uploads/2021/05/200529_arakawa_06-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2021/05/200529_arakawa_07-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2021/05/200529_arakawa_08-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2021/05/200529_arakawa_09-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2021/05/200529_arakawa_10-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2021/05/200529_arakawa_01-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2021/05/200529_arakawa_02-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2021/05/200529_arakawa_03-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2021/05/200529_arakawa_04-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2021/05/200529_arakawa_05-150x150.jpg

New Article

新着記事

Weekly Ranking

ランキング

  • 知る!
    TOKYO
  • お出かけ
  • ライフ
  • オリジナル
    漫画