小沢健二『愛し愛されて生きるのさ』――青山学院から「渋谷系」につながる若者音楽の系譜 渋谷区【連載】ベストヒット23区(19)

人にはみな、記憶に残る思い出の曲がそれぞれあるというもの。そんな曲の中で、東京23区にまつわるヒット曲を音楽評論家のスージー鈴木さんが紹介します。


青山学院大学の重要性

「渋谷系」が渋谷駅の西側(ハチ公側)のムーブメントだとしたら、駅東側の宮益坂をのぼったところに、日本の音楽史上、とっても重要なスポットが現れます。

 青山学院大学(渋谷区渋谷)――その音楽史的重要さを一言で言えば「日本の音楽史を彩ったハイカラ作曲家の輩出拠点」ということになります。

青山学院大学の外観(画像:(C)Google)

 その元祖は、浜口庫之助(はまぐち・くらのすけ)。日本を代表する作曲家にして、シンガー・ソングライター。

 特に1960年代中盤の、バタ臭いセンスとユーモアにあふれた作詞・作曲作品のきらびやかさたるや。坂本九『涙くんさよなら』、西郷輝彦『星のフラメンコ』、マイク真木『バラが咲いた』、ザ・スパイダース『夕陽が泣いている』などなど。

「青学作曲家列伝」で浜口庫之助に続くのが、ご存じ、日本作曲界のレジェンド = 筒美京平。

 彼の場合、代表曲を挙げ始めてもキリがないので割愛しますが、その功績を一言で言えば「日本のモノクロな歌謡界に、最新洋楽のトレンドを注入し続け、カラフルな色合いに転換した人」。

「青学作曲家」のスピード感

 そして、かまやつひろしも忘れることはできません(高等部卒業、大学中退)。作曲家としての黄金時代はスパイダースの頃でしょう。

 1曲挙げるとすれば『ノー・ノー・ボーイ』(1966年)。ビートルズらしさをリアルタイムで再現している、作曲家・かまやつひろしの超絶センスに驚きます。

1966年に発表された、スパイダース『ノー・ノー・ボーイ』(画像:ユニバーサル ミュージック)

 はっぴいえんどの歴史的功績ばかりが語られますが、その何分の1かでもいいので、スパイダースもちゃんと語り継がれるべきだと思います。

 とにかく、浜口庫之助、筒美京平、かまやつひろしという「青学作曲家」3人に共通するのが「洋楽トレンドを消化するスピード感」であり、このあたりが「青学作曲家らしさ」と言えるのではないでしょうか。

サザン = 渋谷区?


【画像】小沢健二がこれまで発表したオリジナルアルバムをすべて見る(6枚)

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