西多摩に3階建ての建物が? かつて存在した首都圏「第3の空港」計画とは

羽田空港と成田空港の需要逼迫で注目される「第3の空港」の建設。その歴史について、ルポライターの昼間たかしさんが解説します。


浮かんでは消えた「第3の空港」案

 さまざまな問題を抱えながらも新ルートの使用が開始された理由は、羽田空港と成田空港の需要が逼迫(ひっぱく)しているためです。

 現在、羽田空港は4本、成田空港は2本の滑走路が運用されています。成田空港は2019年、2030年をめどに3本目の滑走路を新設する計画を示しましたが、これでも十分とは言えないのです。

 1990年代から、首都圏の空港がパンクする可能性は予測されていました。そこでたびたび検討されてきたのが、「第3の空港」を建設する計画です。

 新しい空港を作る場所を巡っては無数の案が浮上し、そして消えていきました。海ほたるパーキングエリア(千葉県木更津市)からアクセスできるようにするという案や、同じく千葉県の九十九里沖合の埋め立て案、神奈川県金沢区の沖合埋め立て案などなど。

 国土交通省のサイトには、これまで提案された候補地の一覧が掲載されています。

東京湾において提案された、首都圏第3空港の候補地・位置図(画像:国土交通省)

 これはあくまで構想のため、かなりとがった案が多くなっています。海ほたるを利用する計画では巨大なメガフロート(浮島)をつくって滑走路にすることが提案されています。

西多摩に「最上階が着陸帯の3層構造体」

 また、アイデアが際立つのは西多摩に新空港を建設する案です。

 ここでは「最上階が着陸帯の3層構造体」を建設し、3200mの滑走路を2本建設するとしています。つまり、屋上に滑走路がある超巨大な3階建ての建物というわけです。完成すれば、なかなか壮観です。名作マンガ『エリア88』に出てきた、地上空母のような雰囲気かもしれません。

「最上階が着陸帯の3層構造体」の実際のイメージ(画像:国土交通省)

 とはいえ、提案者も「新技術の使用、技術開発が前提」としており、とても実現は困難なようです。

 いずれにせよ、空港を新たに建設するには大規模な投資が必要です。しかし成田空港でいまだに反対運動が続いていることから見ても、内陸部への新空港の建設は困難なため、海上空港になることが必至です。

 そのため、政府が2000(平成12)年に設けた「首都圏第3空港調査検討会」は羽田空港の拡張で対応することを決めました。その間にも、在日米軍が使用している横田基地(福生市福生)の軍民共用化案も出ましたが、こちらも実現しませんでした。

2010年開港、茨城空港の存在感


【地図】首都圏第3空港の「候補地」提案の一覧を見る

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