コロナ禍でデパートが営業時間短縮も そもそも昔は18時に閉店していた

新型コロナ禍で閉店が早まった都内のデパート。しかしデパートはもともと早かったといいます。その歴史について、フリーライターの猫柳蓮さんが解説します。


大規模小売店舗法という規制

 この当時、営業時間の延長は簡単ではありませんでした。というのも、デパートや量販店といった大型店舗は当時、「大規模小売店舗法」(大店法)によって、厳しく規制されていたからです。

西武池袋本店(画像:写真AC)

 2000(平成12)年まで存在したこの法律は、中小の小売店舗を保護することを目的としたものです。大型店は出店の際、審査を受けて開店日や店舗面積、閉店時刻、休業日数を調整しなくてはいけませんでした。

 そのため、営業時間の延長にあたっても地元商業関係者や学識経験者、消費者によって構成された商業活動調整協議会(商調協)に届け出て、審議の上で許可を得る必要があったのです。

20時閉店、先駆けたのは水戸市

 こうして営業時間を延長したデパートですが、会社帰りに利用できると客の評判は上々だった一方、売り上げはなかなか伸びませんでした。銀座や有楽町は客足が伸びたものの、前年度比の伸び率「1ケタ」というデパートが大半でした。

 しかし、首都圏ではコンビニの急速な普及による夜型人間の増加も相まって、19時閉店について次第に「早すぎる」という声は聞かれるようになりました。

 最初に20時閉店の決断へと踏み込んだのは、東京ではなく茨城県水戸市の駅前でした。

水戸駅の位置(画像:(C)Google)

『朝日新聞』1998年8月30日付に掲載された記事によれば、

「水戸市でも、郊外の国道50号バイパス沿いの飲食店や書店などは、22時過ぎになっても客が集まっている。営業時間の延長は世の中の流れ」

として、駅周辺のデパートなども「営業時間を延長すべき」という議論が始まっていることを伝えています。

 これは、中小事業者保護のマイナス面の噴出と言える事態でした。規制のゆるい郊外では、夜遅くまでの営業が許可される大型店もこの頃増加していたのです。

 こういった流れが、東京周辺の都市でよく見られる「郊外が栄えて駅前が寂れている」風景の始めの一歩と言えるでしょう。

「定休日消滅」の誕生


【1万306人に聞きました】一番オリジナルな百貨店はどこだと思いますか?

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