30代無職&ロン毛の孤独な男性が、他人の話を聞き続けたら「バーの店長」に大抜てきされた話

約1400万人もの人が住んでいるのにほとんど交わることのない東京は、「孤独」を感じやすい街といえるでしょう。たったひとり暮らす大都会で、どうすれば自分の居場所を見つけられるのか。漫画家でイラストレーターのいしいまきさんが「脱ひとりぼっち」の方法を模索します。


導かれるようにして訪れたバーで

 それからしばらくして、男性は会社を辞めました。次にどうするかは何も決めていないまま。ただただ疲れて、心も身体も限界を迎えていました。

 それ以来、自分の部屋でボーっと過ごすばかりの日が続きます。いつものように何をするでもなくスマホを眺めていたとき、ふいに、よく知る街の一角に新しくイベントバーが開店するという情報が目に留まりました。

 彼がずっと追いかけていた、あのバーの系列店のようです。

「ここに行ってみたい!」

 はじかれたように彼は思いました。仕事を辞めて自由な身になったことが、本来の行動力を思い出させたのかもしれません。「なんだか何かに導かれたみたいに、気づけばそのバーを訪ねていた」と、後になって男性はそのときのことを振り返ります。

 お店は西武有楽町線・新桜台駅と、西武池袋線・江古田駅の間。小さなビル(練馬区栄町)地下1階の、一番奥。扉を開けると、もじゃもじゃ頭のひょうひょうとした店長が彼を迎えてくれました。

「俺、会社を辞めちゃったんです。今、無職です」

 何杯めかのグラスが運ばれてきたとき、彼は思いきって身の上を切り出しました。すると店長は、

「それならバーテンダーをやりましょう! 『無職バー』いいじゃないですか」。

 彼は思わず「えっ」と聞き返していました。

「いきなり、何を言っているんだろう……」と戸惑いつつも、ずっと憧れのあった1日バーテンダーへのお誘いです。時間と体力は、今ならある。不思議な縁を信じるように、彼は店長の提案を引き受けてみることにしたのでした。

誰かにとっての居場所になれたら


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