世田谷・東京農大裏手の「石塔とT字路」から漂う、古き江戸の情景

屋外でも誰にも会わないような、静かな場所で散歩する、通称「三疎」散歩。その魅力について、フリーライターで、古道研究家の荻窪圭さんが解説します。


道をつぶした理由

 たしかに大正時代までここは十字路だったのですが、昭和になって陸軍の自動車学校ができるとき、敷地を確保するために道をつぶしてしまったのです。

赤い丸が庚申塔があった場所。かつては十字路だった。水色は品川用水。今は千歳通りという名の道路になっている(画像:荻窪圭)

 戦後、その土地は東京農業大学になりました。歴史が道を変えてしまったのですね。ちなみに東京農業大学を越えると、用賀につながる古い道筋が残っています。用賀まで行けば、二子玉川まですぐですね。今の玉川通りがそうです。

 この庚申塔がある道、少し西に行くとすごく小さな稲荷神社があります。名前もわかりませんが、昔、このあたりのお屋敷の屋敷神だったのでしょう。そんな地図に載らないような小さな神社との出会いも楽しみのひとつ。

 有名な寺社や大きな事件、城祉や古墳はなくてもどの街も小さな歴史の積み重ねでできてますから、古い道をよく見ながら歩くといろんな発見があります。

小さな歴史散歩の楽しさとは

 どれが古い道かわからない、と思ったらスマホの出番。

道路沿いに残っていた小さな稲荷神社。古い道沿いならではの光景(画像:荻窪圭)

 スマホにはインターネットに公開されている明治時代や大正時代の地図を見られるアプリがありますし、アプリがなくてもウェブブラウザーを使えば「今昔マップ」というサイトで全国の古地図を閲覧できます。

 私は、「スーパー地形」という地形とさまざまな地図を重ねて見られるアプリを愛用しています(iOS版とAndroid版があります)。

 各地域の小さな歴史や昔の地図もインターネット上にいくつか公開されてますから、そういうものも参考になります。

 健康のため、毎日ウオーキングする話をよく聞きますが、同じ道ばかりでは退屈してしまうもの。ぜひ小さな歴史の痕跡を探しながらいろんな道を歩いて、地元を再発見してみてください。著名な史跡を訪れるより楽しめるかもしれません。


【地図】東農大の場所には何があった? 昭和初期の地図を見る

画像ギャラリー

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