【東京人の妄想旅行】外出自粛に疲れた今こそ、脳内でドライブ! 「高知・室戸岬」をぶっ飛ばそう

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【東京人の妄想旅行】外出自粛に疲れた今こそ、脳内でドライブ! 「高知・室戸岬」をぶっ飛ばそう

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カシハラヒデコ

コピーライター、トレンドウォッチャー

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新型コロナウイルスの影響で、旅行もままならない今日この頃。それならせめて妄想の旅行へ繰り出すのはいかがでしょうか。コピーライターのカシハラヒデコさんが高知・室戸へのたびにいざないます。

室戸には「すっきりするドライブコース」がある

 39県で「緊急事態宣言」が解除されたとはいえ、東京での解除はもう少し先のこと。自粛生活で毎日もやもやしている今日このごろ、遠くに行きたい願望にかられます。行きたいのに行けない……そんな折には「妄想旅行」はいかがでしょうか。

 妄想なので行き先は自由です。もやもやを脱したい、とにかくすっきりしたいなら、筆者が推したいのは室戸岬(高知県室戸市)。

 室戸は高知の端にあるのですが、なぜ室戸に行くかといえば、東京を走る首都高とは真反対の「すっきりするドライブコース」があるから。そして東京のテレビ局では、台風が来るといつも大波ポイントとして中継されるのに、みんな行ったことのない場所。

 名前は知っているけど、それってどこなのかみんなあんまり把握していない、どこだかわからない場所を確認すればすっきり感が増すはず。

脳内でなら、どこへ行くのも自由! 高知・室戸への旅はいかがでしょうか(画像:カシハラヒデコ)



 もちろん、太平洋に飛び出した岬に降り立って海を見ればもっと爽快。妄想旅行なのだから、この際すっきりだけを追求するのです。

 そして妄想の果てにたどり着くのは、大海を眼前に臨む廃校水族館。廃校というノスタルジーな響きに、水族館がプラスされてなんてファンタジックな組み合わせ。まさに妄想旅行の目的地にはふさわしい場所です。

 まず四国を把握しておきたいのですが、四国は神奈川県とほぼ同じかたちをしていると考えるとわかりやすい。神奈川県で言えば、東側にある三浦半島の先、三崎の場所にあたるのが室戸。どちらもマグロに関係している漁港と想像すると非常に覚えやすいですが、覚える必要がある人だけ覚えておいてくださいね。

混雑と無縁の国道55号をただひた走る

 ドライブコースは、「すっきり街道」こと国道55号線。

 徳島からレンタカーを借りて入るのですが、高知の東側は車の通りが少なく、爆走できるのもすっきりポイント。爆走といっても速度じゃなく距離のこと。軽く100km以上走れるので思う存分車乗りたい欲が充足できるのもいいところ。ほとんど車のない道を走りまくる快感には変えられません。

 田舎の道なので車も少なく自分のペースで走りまくれます。東京では免許を持っていても爆走などなかなかできるわけもなく、近隣に行っても国道は混み混みなのが難点。その点、高知あたりではこころおきなく爆走できます。

 ああ、ほんと爆走したい……。それでは妄想旅行のはじまりです。

徳島~高知を結ぶ国道55号線から臨む景色は最高(画像:カシハラヒデコ)



 国道55号線を進み徳島の牟岐(むぎ)町を過ぎると海岸線が広がり、見えてくるのは海陽町・鞆浦(ともうら)の幻想的な光景。お遍路でも有名な場所なので、車道の脇を歩くお遍路さんがちらほら。四国だなぁとしみじみした気持ちになってきます。

 室戸にかけての国道55号は日本三大ドライブコースになるほどの海岸線。もうドライブだけで気持ちが楽しくなってきます。

 そしてその先には、近づいてくる、近づいてくる。うっすらと何かが見えます。遠くの海岸線から見える岩の姿は絶景。これは夫婦(めおと)岩という名所ですがとにかくドライブコースから近づいてくる岩の姿がたまらない。

 室戸には地層マニアから注目のジオパークも設置されています。この周囲には約4000万~3500万年前の深海底でできた地層、タービダイト層が隆起し地表に現れたという岩場が一面に広がっており、ますます心が沸き立ちますね。

ノスタルジックな水族館で味わう清涼

 到着したのは「むろと廃校水族館」。10年以上前に廃校になった小学校を改修して、2018年に開館した水族館。見た目は本当にそのまま小学校ですが、ここに50種類1000匹以上の魚が飼育展示されています。

廃校になった小学校をそのまま利用した「むろと廃校水族館」(画像:カシハラヒデコ)



 学校なので机やいすもそのまま。跳び箱をいかした水槽もあって遊び心満点。室戸の海岸に産卵しにくるウミガメを研究していたNPO日本ウミガメ協議会が運営する水族館なので、もちろんウミガメもいます。

 太平洋の外洋沿いならではの、豊かな海の資源をそのまま水族館にするという画期的な試み。地元の漁師さんに協力いただき地元で網にかかった魚たちを展示しています。

理科室も図書館も、心揺さぶる展示場

 もともとウミガメの研究に集まったメンバーはほとんど手弁当でやっていました。

 地元の人たちの応援で、余った魚を格安でもらいうけ食いつないでいた……というエピソードもあるほど。そんなウミガメマニアの研究者たちが作り上げたからこそ、マニア心をつかんでしまう仕様なのですね。

NPO日本ウミガメ協議会が運営しているので、もちろんウミガメもいる(画像:カシハラヒデコ)

 2階には懐かしの理科室も。奥の図書室には魚介類関連図書や、かつて学校の図書館にあった古本が閲覧可能。図書室の本棚の上にはミンククジラの骨が1頭丸々置かれていて、どこもファンタジーの中にいるような驚きに満ちています。

夏の暑い日に夢想した光景が目の前に

 そして外の25mプールはそのまま飼育プールに使用。そもそも自分たちが小学生だった時でさえも使える時期が限定され、勝手には入れなかった場所の代表格ともいえる25mプール。懐かしの学校プールを間近に見られるだけで特別感があります。

 学校のプールに魚がいるという妄想が現実になっているファンタジー的な光景が目の前に広がり、プールにはシロシュモクザメをはじめ、サバやカワハギなどの魚が泳いでいてなんて幻想的。

 夏の暑い日、めまいがするような湿度の中、見上げたらそこにサメの泳ぐプールが広がる……と思わず妄想にどっぷりと浸ってしまいそうですね。

25mプールをそのまま飼育槽にしているところも、いい(画像:カシハラヒデコ)



 東京ではまだまだ自粛の毎日ですが、早く自由に旅行に行けるようにという願いを込めて、欲望は妄想旅行で満たすとしましょう。

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