南極の英雄犬「タロとジロ」が上野と札幌で離れ離れになっている理由

南極観測隊に同行して極寒の地へ渡ったカラフト犬の兄弟タロとジロ。2頭の奇跡の生還劇は、多くの日本時の心を揺さぶりました。時を経て今、東京と北海道に離れている2頭。ノンフィクション作家の合田一道さんは2頭を「一緒にしてやりたい」という思いを強くしています。


忠犬ハチ公とともに展示されているジロ

 筆者(合田一道。ノンフィクション作家)は久しぶりにジロに会おうと、上野の国立科学博物館を訪れました。

 タロ同様に真っ黒な毛に覆われたたくましい姿です。でも人間の甘い感傷なのでしょうか。少し寂しげに見えて、やはり2頭を一緒にしてやりたい、という思いが強まりました。

ジロのはく製が展示されている上野の国立科学博物館(画像:(C)Google)




 思いがけなくジロのほかに、2頭のイヌのはく製が並んでいました。何と隣にいるのは、あの有名な「忠犬ハチ公」なのです。そしてもう1頭は、山梨県生まれの名犬「甲斐犬(かいけん)」でした。

 なぜここに3頭のはく製の犬が並んでいるのでしょうか。その経緯はもとより知りませんが、見ているうちにめまいを覚えたような心地になって、思わず座り込んでしまいました。

ジロのはく製を前にしてこみ上げた思い

 ここに並んだイヌたちには当然、歩んできた道のりがあります。しかしはく製になった段階で、人間たちの都合により、陳列場所に置かれたのでしょう。

 イヌたちは何も言いませんが、なぜか人間どもの身勝手さを訴えているようにも見えて、たじろぐ思いでした。

 ジロ、勝手なことを思ったりして、ごめんね。

 それから、ハチ公クン、甲斐犬クンも、ごめんね。

 でもそうわびながら、少なくともジロだけはタロと一緒にしてやりたい、という思いが募るのでした。


【画像】第一次越冬隊とともに南極で奮闘した犬たちの雄姿を見る

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