南極の英雄犬「タロとジロ」が上野と札幌で離れ離れになっている理由

南極観測隊に同行して極寒の地へ渡ったカラフト犬の兄弟タロとジロ。2頭の奇跡の生還劇は、多くの日本時の心を揺さぶりました。時を経て今、東京と北海道に離れている2頭。ノンフィクション作家の合田一道さんは2頭を「一緒にしてやりたい」という思いを強くしています。


1年後に発見された2頭「生きている!」

 1年が過ぎて1959(昭和34)年1月14日、第3次観測隊を乗せた宗谷から1番機が南極基地へ飛びました。この飛行機に第1次のイヌ担当の隊員が機上していたのです。

 飛び立ってすぐ、いきなり凍氷の地上を動き回る物体が目に飛び込んできました。

「あっ、生きているっ」

上野の国立科学博物館内に展示されているジロのはく製(画像:国立科学博物館)

 隊員は絶叫しました。着陸した飛行機に向かって走ってくる2頭のカラフト犬。一番若い兄弟のタロとジロです。兄弟イヌは鎖をちぎって自由の身となり、極寒の地で生き抜いたのです。

 おそらくアザラシの肉やペンギンのフンを食べて生き延びたのでしょう。相前後して5頭の死体が見つかりました。

 この情報がもたらされると、国内は感動と歓喜に沸き立ちました。全国の子どもたちから励ましの便りや「おいしい食べ物を食べさせてあげて」と、お金も送られてきました。

タロだけが生きたまま帰還、札幌の地へ

 タロとジロは第3次越冬隊とともに、さらに1年間過ごしますが、この間にジロは体調を崩して死にます。隊員は悔し涙を流しました。

 任務を終えた隊員はタロと、はく製になったジロとともに観測船で帰国しました。はく製のジロは東京の晴海岸壁に降ろされ、ジロと別れたタロは札幌の北海道大学植物園に送られ、余生を送りました。

北海道大学植物園・博物館にあるタロのはく製(画像:合田一道)

 植物園はタロに会いたいという子どもたちが親子連れでにぎわいました。しかしタロは1970(昭和45)年8月、亡くなってしまいました。

忠犬ハチ公とともに展示されているジロ


【画像】第一次越冬隊とともに南極で奮闘した犬たちの雄姿を見る

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