少数精鋭で独自路線 ミッション系最難関「上智大学」とはどのような大学なのか
2020年5月3日
ライフミッション系大学の中で最難関とされる上智大学。その歴史は意外にも苦難との戦いでした。教育ジャーナリストの中山まち子さんが解説します。
アメリカやヨーロッパからの支援が背景に
戦後、上智大学はアメリカやヨーロッパなどからの寄付で新たな敷地を取得。キャンパスを拡大し校舎の建て替えなどを推進していきました。
連合国軍総司令部(GHQ)の本部が置かれた有楽町からほど近い千代田区紀尾井町にあるという立地条件から、子息の高等教育機関に指定されたことも大きな転機となりました。

駐留兵士やその子息向けに、アメリカの複数大学で単位として認定される講義が行われるなど、海外の教育機関の代わりとなる役割を果たしていったのです。
1957(昭和32)年に法学部を開設。5年後の1962年には理工学部を開設し、理系学部を含む総合大学として変貌を遂げ、今日の発展につながっています。
9学部11研究科を有する
戦後、総合大学として生まれ変わった上智大学ですが、少人数教育を大切にし、大学進学者数や入学希望者が増えても拡大路線にひた走ることはありませんでした。
9学部11研究科を抱えているにも関わらず、学生数は学部生や大学院生を合わせても1万3000人程度です。
13学部25研究科の早稲田大学(新宿区戸塚町)約4万8000人、10学部14研究科の慶応義塾大学(港区三田)約3万3000人を考えると、上智大学は学部当たりの学生数が抑えられており、「少数精鋭」であることがわかります。

学部を増やしてきたにも関わらず、ほとんどの学部が全学年を通じて四谷キャンパスで授業を受けることができるのも、都内にある有名総合大学の中では少数派です。
上智大学の他大学とは異なる学校運営は、少子化の時代になった今、学生の質の低下を防ぐ役割も担っています。
2000年代以降は学部学科、研究科の統廃合や新設が相次いで行われ、2014年には国際社会の一線で活躍できる人材育成を目指す総合グローバル学部の新設や看護科の設置、聖マリアンナ医科大学(川崎市)との提携など、意欲的に大学改革に取り組んでいます。
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