日本人が「パスタ ≠ スパゲッティ」と知ったのはいつから? 都内買い占め騒動を契機に考える

現在ではよく知られた、パスタとスパゲッティの違い。それが広まったのはいつごろだったのでしょうか。ルポライターの昼間たかしさんが解説します。


日本とイタリアの製品に差があった時代

 紀伊国屋といえば、東京を目指す人たちがいつかは普段使いをしてみたいと憧れる高級スーパーマーケットです。そのような店でないと売っていない上に、価格は400円。今はどの種類でも200円台後半~300円前後ですから、なるほどイタリアは遠いはずです。

 このような状況で、日本のスパゲッティが独自に進化したのもうなずけます。

 また現在の日本で製造されているパスタは、基本的にデュラム小麦のセモリナ(粗びきにした小麦)を使っています。それを使っていることに価値があるという前出の記述から、当時の日本製のスパゲッティが現在からは想像できない味や食感だったこともわかります。

デュラム小麦を粗びきにした「デュラムセモリナ」(画像:日清製粉グループ)

 そのような日本製スパゲッティを食べようとすれば、炒めまくってしょうゆで味付けしたり、めんつゆで味を染みこませるなど、うどんとかそばの延長にある食べ方になるのも当然でした。

1980年代末に起きた変化

 そのような素朴な時代が終わって、「パスタ = スパゲッティではない」という意識が広まったのは1980年代末のことでした。

 この頃になると、日本にイタリア料理店が増加します。

ユニークな形をしたパスタのコンキリエ(上)とニョッキ(画像:写真AC)

 そこでは、それまで日本人がほとんど見たことがなかったニョッキやコンキリエのような、麺の形をしていないパスタを使った料理が出されました。イタリア料理といえば、スパゲッティとピザしか知らなかった人にしてみれば、革命的な変化だったと言えます。

「『そうネ。ホウレン草はタリアッテレにペンネ、詰めもの入りのカペレッティなんかも悪くないね』ぐらいのセリフは、さりげなくこなしてみたいもの」(『DIME』1989年9月21日号)

 そのようなうんちくを得意げに語るのも、ブームになりました。それから1990年代の10年余りのときを経て、パスタという言葉は日本に急速に普及していったのです。


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