日本人が「パスタ ≠ スパゲッティ」と知ったのはいつから? 都内買い占め騒動を契機に考える

現在ではよく知られた、パスタとスパゲッティの違い。それが広まったのはいつごろだったのでしょうか。ルポライターの昼間たかしさんが解説します。


東京の昼飯時には行列も

 ちなみに「ジロー風」といっても、ラーメン二郎とは何の関係もありません。

「ジロー風スパゲティ」は1980年代に九州大学(福岡市)の学食に現れたと言われる、

・めんたいこ
・ツナ
・しそ昆布

とパスタ麺を炒め、バターやしょうゆで味付けして、最後に卵をからめたものです。日本式パスタの代表格といえる、たらこスパゲッティが「超進化」したものといえるでしょう。

九州大学の学食で30年以上親しまれた名物メニュー「ジロー風スパゲティ」(画像:ふくや)

 そのようなニュースタイルのメニューが次々と出てくることからも、日本人のパスタ好きがわかります。東京の昼時ともなると、サラリーマンがあちこちで路スパに行列しています。

 確かにフォークにくるくる巻かずに、ズルズルと音を立ててかきこむ様子は食欲をそそります。ちなみにイタリアでも、パスタはもともと手づかみで食べていたそうです)。

1980年代の主流は「スパゲッティ」

 はて、ここまでパスタとスパゲッティという言葉を何度も使ってきましたが、ひとつ気にならないでしょうか。果たして日本人はいつから「パスタ = スパゲッティ」ではないことに気づいたのか、と。

 パスタは小麦粉を水や卵で練っためん類の総称で、スパゲティはパスタの中のひとつに含まれます。

 今では、パスタは形や太さでそれぞれ呼び名に違いがあることを、多くの日本人は知っています。しかし、それに気づいたのは結構最近のような気がします。かつては、イタリアで使われているスパゲッティの「しゃれた呼び名」と勘違いしている人もいたほどですから。

 資料を調べてみると1980年代はスパゲッティという呼び方が主流です。既にこの頃からスパゲッティは食卓に定着し始めていますが、あくまでイタリアをまねた、日本風の麺を使ったものでした。

 今ではよく見かけますが、イタリア産のスパゲッティは当時貴重で価値がありました。『anan』1986年3月14日号のスパゲッティを扱った記事ではこんな記述があります。

「スパゲッティはなぜディチェコなのか。粘りというか腰というか違うんですよね。その腰の強さと粘りをだしてくれるのがデュラム小麦のセモリナ。イタリアでは、この材料100%で作ることが義務づけられているくらいなのです」

「ディ・チェコ No.12スパゲッティ」(画像:日清製粉グループ)

 ディチェコのスパゲッティというのは、スーパーマーケットでよく見かける青いパッケージの製品です。安くておいしいイタリア産スパゲッティの定番ですが、この当時はまだまだ高級品。『anan』では青山にある紀伊国屋で、ひとつ400円で販売されていると記されています。

日本とイタリアの製品に差があった時代


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