個性派マスターのコーヒーと音楽 「カファブンナ」|老舗レトロ喫茶の名物探訪(5)

2018年11月13日

お出かけ
ULM編集部

商業施設が軒を連ねる六本木の喧騒とは対照的に、落ち着きと温もりあふれる空間が広がる純喫茶「かうひいや カファブンナ」。その名物は、コーヒーと音楽、そしてマスターの能勢さんそのものといえるようです。


江戸っ子マスター82歳が密かに抱く野心

「僕はね、今が人生のなかで一番楽しい。この年になっても、いろんな人と話ができる環境にある人は少ないとわかって、より仕事に生きがいが感じられてね」

 その言葉通り、こんなにも楽しそうに働いている喫茶店のマスターを見たのは、正直初めてでした。今後の夢を聞くと、半ば真剣に「音楽でスカウトされることだね。誰かスカウトしてくれないかと密かに待ってるんだよ」との答え。

 能勢さんは大の音楽好きで、クラシック、シャンソン、映画音楽に精通しています。5年ほど前から1950〜70年代を中心とした映画音楽の鑑賞会を店で週1回行うようになりました。選曲した17〜20曲をひとつずつ、あくまで「音楽」について解説します。手書きのプログラムは、楽曲のみならず作詞や作曲者などまで綺麗な英字でしたためられていました。それを毎週書くという熱の入れよう。

能勢さん手書きの映画音楽鑑賞会のプログラム。毎週水曜に定期開催している(2018年10月2日、宮崎佳代子撮影)。

 店内には「メロディラインが深い」という能勢さん選曲の洋楽がかかっていて、それが深煎りコーヒーの苦味やレトロな佇(たたず)まいとなんとも言えない調和で、心地よい大人時間に誘ってくれます。

 こういった粋な純喫茶に、ふらりひとりで来て気分転換する。それが「大人の女」なのかもしれない。ジーンズで来るのはご法度。この店には似合わない……。

 そんな考えに耽(ふけ)っていると、筆者が退屈していると思ったのか、能勢さんが話しかけてきました。

「僕は東京生まれの東京育ちだからね、最近ちょっと不快に思ったのが、大江戸線の車内アナウンスに関西弁のアクセントで『地下一階』と言われた時。オイ、こともあろうにここは東京、大江戸線だぞ! って言いたくなったね」と、ひとり漫才のような語り口調。

「この店の名物はコーヒーと音楽」と能勢さんは言います。それに深く賛同しつつ、江戸っ子気質のマスターそのものも加えたいと思ったのでした。

老舗感漂う店の外観。店名は、コーヒーの語源になったといわれるエチオピアの地名「カファ」(諸説あり)と、同国の言語で「豆」を意味する「ブンナ」をつなげたもの(2018年10月2日、宮崎佳代子撮影)。

●かうひいや カファブンナ
・住所:東京都港区六本木7-17-20 明泉ビル 2F
・アクセス:日比谷線「六本木駅」2番出口から徒歩約2分、都営地下鉄大江戸線「六本木駅」4b出口から徒歩約4分
・営業時間:月〜金曜 12:00〜21:00、土曜 13:30〜21:00、日祝日 13:30〜19:00
・映画音楽鑑賞会:毎週水曜 14:00〜16:00 ※奇数月第3火曜の18:30〜20:30にも開催。

※掲載の情報は全て2018年11月時点の情報です。


この記事の画像をもっと見る(7枚)

画像ギャラリー

/wp-content/uploads/2018/11/181002_kafabunna_01-1-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2018/11/181002_kafabunna_02-1-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2018/11/181002_kafabunna_03-1-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2018/11/181002_kafabunna_04-1-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2018/11/181002_kafabunna_05-1-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2018/11/181002_kafabunna_06-1-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2018/11/181002_kafabunna_07-1-150x150.jpg

おすすめ

New Article

新着記事

Weekly Ranking

ランキング

  • 知る!
    TOKYO
  • お出かけ
  • ライフ
  • オリジナル
    漫画