中村一義『犬と猫』――小岩近辺から生まれた「江戸川系」音楽の金字塔 江戸川区【連載】ベストヒット23区(17)

人にはみな、記憶に残る思い出の曲がそれぞれあるというもの。そんな曲の中で、東京23区にまつわるヒット曲を音楽評論家のスージー鈴木さんが紹介します。


女性代表は大竹しのぶ

 松崎しげるを江戸川区音楽界の男性代表とすれば、女性代表は大竹しのぶではないでしょうか。

 大竹しのぶの著書『私一人』(幻冬舎)によれば、品川区に生まれ、埼玉に引っ越して、そして都立高校に進学するのですが、その都立高校が江戸川区にある小岩高校(江戸川区本一色)。卒業生に大竹しのぶと吉田照美ですから、なかなかに個性的です。

大竹しのぶの著書『私一人』(画像:幻冬舎)

 高校時代から女優として活躍、その流れで1976(昭和51)年には『みかん』という曲でレコードデビュー。しかし本人、まったく乗り気ではなく、「『みかん』を出した頃は、何もかもが嫌だった。どんどん普通じゃなくなっていく生活から抜け出したくてしょうがなかった」と、とてもネガティブな状態だったよう。

紅白で『愛の讃歌』を熱唱

 しかしその40年後、大竹しのぶは歌姫として、聴衆を圧倒します。2016年の「第67回NHK紅白歌合戦」、すっかり大女優になっていた大竹しのぶが初出場を果たし、フランスのシャンソン歌手エディット・ピアフの代表曲『愛の讃歌』を、目に涙をためながら熱唱。

大竹しのぶと吉田照美を輩出した小岩高校の外観(画像:(C)Google)

「女優の歌だ」と私(スージー鈴木。音楽評論家)は感じました。歌唱力もさることながら、エディット・ピアフが魂に乗り移ったような気迫、女優にしか醸し出せない強烈な世界観が表現されている。2012年紅白の美輪明宏『ヨイトマケの唄』などと並ぶ、2010年代紅白屈指の名場面のひとつに数えられるでしょう。

 実は大竹しのぶと結婚した明石家さんまも、ブレーク前の一時期、小岩で住んでいたらしく、2015年に日本テレビで放送されたドラマ『小岩青春物語~きみといた街角~』は、その頃のことを描いていました。明石家さんまを演じたのは菅田将暉。ただし同じ小岩でも、厳密には新小岩駅周辺だったようで、新小岩駅は江戸川区ではなく葛飾区になります。

「小室系」でも、「渋谷系」でもない「江戸川系」


【地図】新小岩駅、実は江戸川区じゃなかった! 証拠を見る

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