「ドラマ主題歌」は切ない思い出を呼び起こす記憶装置? TBSドラマシリーズ「木曜座」から考える

毎週見ていたテレビドラマの主題歌は、のちに聴き返すと当時のさまざまな記憶をよみがえらせてくれます。ドラマと主題歌が密接な関係を築く黎明(れいめい)期、TBS「木曜座」の功績を法政大学大学院の増淵敏之教授が語ります。


テレビが夢見させた東京という幻

 Tinnaの曲も「終わりのない歌」同様、及川恒平・作詞、惣領泰則・作曲の佳曲でしたが、しかし挿入歌を岸田智史が自ら歌う「きみの朝」の方が大ヒットしたことでも知られています。岸田は1976(昭和51)年にCBS・ソニー(現ソニー・ミュージックエンタテインメント)からデビュー、この「きみの朝」によってスターダムにのし上がります。

 さて最後に1979(昭和54)年の『たとえば、愛』の主題歌、豊島たづみ「とまどいトワイライト」です。

 この曲は作詞・阿木燿子、作曲・宇崎竜童でした。どちらかというと歌謡曲テイストの曲といえましょうか。

脚本家・倉本聡によるドラマ『たとえば、愛』(画像:ウェブサイト「TBSチャンネル」)

 このドラマは、1年前に離婚をしていた人気深夜番組DJの主人公が、自身の番組を担当する広告代理店の課長との再婚を控えていて、しかし披露宴当日、前夫が披露宴に出席すると知って驚きます。ふたりの男性のなかで複雑に揺れ動く女性を描いたものでした。

 主演は大原麗子、前夫を原田芳雄、再婚相手を津川雅彦が演じていました。豊島はその後も宇津井健、秋吉久美子の主演の『オレンジ色の愛』でも主題歌を担当、「行き暮れて」という曲でした。

 筆者は「木曜座」が放送されている頃、ちょうど大学生でした。そのため記憶に鮮明に残っている作品が幾つもあり、また振り返ると当時のテレビ局は現在に比べると、有名プロデューサーの時代だったようにも思えます。筆者が大学卒業後にテレビ制作会社に勤めたのもそういう人たちへの憧れだったのかもしれません。

 テレビを通じて、筆者は遠くにある、手が届きそうで届かない「夢の東京」を見ていたのでしょう。それははかない幻にすぎないものだったとしても、一大学生の職業選択へのテレビドラマの影響は少なくなかったと思います。そしてその人生の分岐点を思い出すとき、先述した曲が記憶の断片とともにリフレインするのです。


【画像】かつてドラマを彩った佳曲の数々をプレイバック

画像ギャラリー

/wp-content/uploads/2020/04/200414_thursdays_04-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2020/04/200414_thursdays_05-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2020/04/200414_thursdays_06-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2020/04/200414_thursdays_07-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2020/04/200414_thursdays_08-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2020/04/200414_thursdays_01-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2020/04/200414_thursdays_02-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2020/04/200414_thursdays_03-150x150.jpg

New Article

新着記事

Weekly Ranking

ランキング

  • 知る!
    TOKYO
  • お出かけ
  • ライフ
  • オリジナル
    漫画