新型コロナ拡大で浮き彫りに 子どもの「オンライン学習」を阻むものは何か
2020年4月12日
ライフ新型コロナウイルスの感染拡大で注目が集まるICT教育。その必要性について、教育ジャーナリストの中山まち子さんが解説します。
黒板授業ありきできた日本の教育
日本の教育は長年、「黒板」と「壇上に立つ教員」のセットで行われてきました。
ここ数年は、生徒間の対話を重視するアクティブラーニングやグループ活動が盛んに行われていますが、基本的には、明治維新以前からの「寺子屋スタイル」を踏襲し続けています。

日本の高いインターネット普及率を考えても、このような旧態依然のスタイルが学校教育として行われてきたのは、ある意味「奇跡」と言ってよいでしょう。
残念ながら、このような教育スタイルは緊急事態の前で極めてもろいことが露呈しました。生徒同士の距離感が近く、感染の危険性が高まる状況では、登校すること自体が危険であり、子どもたちが平等に教育を受ける場がなくなってしまうためです。
そのためにも、生徒の通学が「大前提」の教育スタイルは、即刻変える必要があります。
ICT教育にはデメリットも
しかし昔ながらの教育スタイルがデメリットばかりかと言えば、そうも決めつけられません。
板書(黒板に白墨で書くこと)スタイルの授業では、子どもの表情やリアクションから「授業内容をどれだけ理解しているか」ということが瞬時に教員へ伝わります。しかし、ICT教育はそうした微妙な心理はなかなか伝わりません。

また板書スタイルは、教員が教室の空気を読み、すべての子どもが苦手そうな問題を宿題として出すといった臨機応変な対応を行えますが、ICT教育は実際の授業と異なり、瞬時の判断で細かい指導を行うことが難しいというデメリットがあります。

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