事故で電車が止まった朝、なぜか古い記憶がよみがえった【連載】散歩下手の東京散歩(2)

「散歩」とは、目的を持たずに歩くことも、寄り道しながら目的地を目指すことも、迷子になってしまうことも、迷子になりたくなくて右往左往することも、すべて包み込む懐深い言葉。出版レーベル「代わりに読む人」代表で編集者の友田とんさんが、学芸大学駅で朝の人身事故に遭遇した日の自分を回顧します。


ずっと前にも、こんなふうに驚いたことがある

 歩いていくとこちら側のバス停のたびに人が大勢並んでいて、手前のバス停よりも人が増えています。けれど、さっきから1度もバスは通りません。歩いたのが正解だったなと考えながら、ぐんぐんと歩いていきます。

 私と同じ方向に歩く人もいます。向かい側には店を開ける準備をする人、ゴミを出す人、日常が見えます。こんなことでもなかったら、朝のこの時間の駒沢通りの風景を眺めることもなかったなと、少し得した気分になりました。そして、しばらく歩いたところで、通りの向かい側にあるものを見つけたのです。

「わっ、こんなところにブルーボトルコーヒーが!」

駒沢通り沿いに見つけた、ブルーボトルコーヒーの店舗(画像:友田とん)

 そして、こんなところにできてるんだなあと思いながら、中目黒まで歩いて行ったのですが、そのことを今になって思い出しながら書いていると、ずっと前にもどこかでこんなところにブルーボトルコーヒーが、と驚いた記憶がよみがえってきたのです。

 あれは海外出張からの帰りでした。私は早朝に成田空港に降り立ちました。ちょうど数日前にブルーボトルコーヒーの日本1号店が開店していたのですが、ネットでは連日満員で入れないほどの盛況ぶりだという話でした。

 そこで私はちょうどいい、帰りに立ち寄ってみようと思い立ったのです。平日の早朝ならすっと入れるのではないかと考えたのでした。

 京成電鉄と地下鉄を乗り継ぎ、清澄白河駅(江東区白河)に着きました。スーツケースをロッカーに預けたかったのですが、あいにく大きなスーツケースの入るロッカーはいっぱいです。私はゴロゴロとスーツケースを引きずりながら、不慣れな街をスマホの地図アプリを頼りに、ブルーボトルコーヒーを目指します。

スマホの充電はあえなく切れてしまった


【画像】電車が止まってしまった朝、いつもとどこか違って見える街の風景

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