90年代、地方民は東京を目指したーーなぜなら「深夜アニメ」があったから

アニメファンにとって、今は定番となった「深夜アニメ」。その歴史について、ルポライターの昼間たかしさんが解説します。


深夜アニメを加速させた「エヴァ」

 今では日本のテレビアニメの定番となっている「深夜アニメ」ですが、この定番化に先鞭(せんべん)をつけたのは、1996(平成8)年にテレビ東京系列で放送された『エルフを狩るモノたち』で、いわゆるオタク要素の強いファンタジーコメディー作品でした。

 当時、そのようなアニメは夕方に放送するのが当たり前でした。例えば社会現象となった『新世紀エヴァンゲリオン』は1995年10月に放送を開始していますが、放送時間は水曜日の18時30分からでした。

1990年代を代表するアニメ作品で、社会現象まで巻き起こした『新世紀エヴァンゲリオン』(画像:(C)カラー/Project Eva.)

 ゆえに、放送時間を深夜にして視聴者を獲得することができるかどうかは、テレビ局内で心配の声が上がったといいます。

 ところが放送してみると、深夜にも拘わらず視聴率は「2%台」というまずまずの数字。原作のコミックやサウンドトラックも売れ、メディアミックスでの経済効果も見られました。

 このとき、深夜にアニメを放送することのうまみが徐々に見え始めたのですが、それを加速させたのは、1996年3月に衝撃的な最終回を迎えた『新世紀エヴァンゲリオン』の存在でした。

 1997年の劇場版公開前、深夜に再放送を行ったところ、これまた高視聴率を獲得。加えて当時、数百億円ともいわれた経済効果に多くの企業が目を付けました。

高まる「製作委員会方式」への認知

 ここから、現在では当たり前となった複数の企業による出資でアニメをつくる「製作委員会方式」が認知されていくことになります。そういった過程で深夜アニメが一般に広く知られるようになったのは、1997年4月の三菱商事による参入です。

 このとき話題になったのが、同月からテレビ東京系列の水曜深夜1時45分に放送が始まった『HAUNTEDじゃんくしょん』です。

『HAUNTEDじゃんくしょん』(画像:夢来鳥ねむ、スタジオディーン、HAUNTEDじゃんくしょん製作委員会、テレビ東京、NTT DOCOMO)

 クレジットでは、三菱商事は企画協力。製作は「HAUNTEDじゃんくしょん製作委員会」となっていましたが、まだ出資企業が集まる製作委員会方式は広く知られていない時代で、週刊誌では「三菱商事が深夜アニメの枠を30分間買い切った」と話題になりました。

週刊誌も取り上げるほどのムーブメントに


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