建築鑑賞だけじゃもったいない 東京駅をさらに楽しむ鍵は「石」だった

あまりにも身近な存在ゆえ、なかなか注目することのない「石」。そんな石の魅力について、『東京「街角」地質学』著者で名古屋市科学館主任学芸員の西本昌司さんが解説します。


瀬戸内海から運ばれた「北木石」

 壁の白い部分は花こう岩で、数千万年前の地下深くにあったマグマが固まってできた岩石です。石材としては「御影石」と呼ばれ、丸の内駅舎の外壁には、もともと2タイプの御影石が使われていました。

 ひとつは、腰壁と中央玄関に使われている岡山県笠岡市北木島産「北木石(きたぎいし)」で、もうひとつは、柱や窓枠などに使われている茨城県笠間市稲田産の「稲田石」です。

丸の内北口の壁の北木石(画像:西本昌司)

 北木石が使われている建築物には、日本銀行本店本館(中央区日本橋本石町、1890年)や明治生命館(千代田区丸の内、1908年)などがあり、東京の近代化を支えた石だと言えるでしょう。東京の近くで花こう岩が採れないため、わざわざ瀬戸内海から船で運ばれてきたのです。

上野と稲田を結んだ鉄道

 稲田石が使われている建築物には、三井本館(中央区日本橋室町、1929年)や連合国軍総司令部(GHQ)となった旧第一生命館(現DNタワー21。千代田区有楽町、1938年)などがあります。

 北木石よりも後に造られた建物に使われているのは、1897(明治30)年に稲田に貨物駅が造られ、上野と鉄道で結ばれてから以降、東京に運び込まれるようになったからです。稲田石は、少しずつ東京でポピュラーな石材となったようで、今では、駅の階段や歩道の敷石などとして、北木石よりも多く見かけます。丸の内駅舎前にある広場の白い敷石も稲田石です。

丸の内駅前の稲田石(画像:西本昌司)

 現在の丸の内駅舎では、別の石材やコンクリートで修復されている部分もありますが、北木石と稲田石の両方が当時のまま残されています。もう少し後に建設していたら、稲田石だけしか使われなったかもしれません。

ドームの天井を大理石でデザイン


【画像】ライトアップされた東京駅ーー暗がりに浮かび上がるモダン建築を堪能する

画像ギャラリー

/wp-content/uploads/2020/04/200409_stone_07-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2020/04/200409_stone_08-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2020/04/200409_stone_09-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2020/04/200409_stone_10-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2020/04/200409_stone_11-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2020/04/200409_stone_12-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2020/04/200409_stone_13-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2020/04/200409_stone_14-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2020/04/200409_stone_15-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2020/04/200409_stone_16-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2020/04/200409_stone_17-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2020/04/200409_stone_18-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2020/04/200409_stone_01-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2020/04/200409_stone_02-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2020/04/200409_stone_03-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2020/04/200409_stone_04-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2020/04/200409_stone_05-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2020/04/200409_stone_06-150x150.jpg

New Article

新着記事

Weekly Ranking

ランキング

  • 知る!
    TOKYO
  • お出かけ
  • ライフ
  • オリジナル
    漫画