野ざらしにされる「宝くじ売り場」、そぎ落とされる日常――緊急事態宣言翌日の新宿を歩く
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて発令された「緊急事態宣言」。世界一のターミナル駅・新宿の街角からも、思わぬモノが姿を消していました。そして、変わらずそこに残り続けたものも。
それでも街に残り続ける人たち
位置情報データ解析のクロスロケーションズ(渋谷区恵比寿南)の調査によると、3月16日~22日の新宿エリアの人出は前年比で35.8%減。4月以降、緊急事態宣言の発令によってこの減少傾向はより加速することになるのでしょう。
新宿駅東口にある日本最大の歓楽街、歌舞伎町。
午前9時台は普段なら夜の仕事を終えた飲食店従業員らが駅へと向かって歩いている時間帯ですが、この日は全く姿を見掛けません。昼時を迎えても多くの飲食店は戸を閉めたまま。巨大なゴジラのオブジェが目印のTOHOシネマズ新宿も、この日から営業休止に入り静まり返っています。
よく見渡せば、普段と変わらない光景もありました。新宿区からの委託を受けて清掃業務を行うスタッフたちの姿です。

「CleanShinjuku」と書かれた緑色のジャンパーを羽織って路上のごみを拾い集めていた70代の男性は、
「もう何日か前から、この時間帯に仕事帰りのホストの姿を見なくなりましたね。人通りもご覧の通り、さっぱりです。私たちの仕事も(新型コロナウイルスの影響で)休止になるかな、と思ったのですが、今のところは続けさせてもらっています。道端のごみの量ですか? 以前と比べてだいぶ少ないですね。そのこと自体はありがたいのですが……」
新宿の日常らしさを探して街を歩けば、JR東南口改札の階段下広場には、ティッシュ配りをする若い女性の姿を見つけました。
下りエスカレーターの降り口前に立って、まばらに通り過ぎる通行人たちの胸元にポケットティッシュを差し出しています。絶対的に人が少ないという状況が生み出す親近感からか、ティッシュを受け取ってもらえる率が普段よりいくぶん高そうな印象ですが……
「特に普段と変わりませんね。そもそもこの場所は、何日か前に来たときも今日みたいな感じの(少ない)人通りでした。人通りは少ないですけど、私のバイトは休みにならなかったので、担当する分(のティッシュ)をこうして配るだけです」
淡々とした様子で、通りの隅に置いた段ボールからポケットティッシュを手元に補充し、またエスカレーター下の定位置へと思っていきました。

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