80年代 狂乱の「DCブランド」ブームが残した大いなる価値観とは

「DCブランド」を着たことがないという今の若者世代も、DCブランドが人々に残した「現代的価値観」はしっかりと受け継いでいるようです。ルポライターの昼間たかしさんによる解説です。


DCブランドとともに定着したクレジット文化

 ファッションで個性を主張するスタイルのラフォーレ原宿とともにファッションの発信地となったのが、同時期にオープンした新宿の丸井(新宿区新宿)各館です。丸井が生み出したのは「借金をしてでも服を買う」というライフスタイルでした。

「借金」と書くとネガティブかもしれませんが、1980年代以前の日本ではクレジットカードに対する忌避感が根強くありました。クレジットカード以前のスタイルとして「月賦(げっぷ)」というものがありましたが、クレジットカード = 月賦 = 借金というネガティブなイメージで捉えられていたのです。

 そこに登場したのが丸井の通称「赤いカード」。ここに、クレジットカードを使って上手にやりくりしながら日常を豊かにしていくライフスタイルも普及していきました。

高級DCブランドのひとつ「Giorgio Armani」の最新アイテム(画像:ARMANIウェブサイト、(C)2020 Giorgio Armani S.p.A.)

 さて、そんな丸井では1979(昭和54)年の夏からバーゲンを始めます。次第に若者客が増えるなかで、周辺百貨店との差別化を図った丸井では、年々DCブランドの導入を拡大していきます。ここで「赤いカード」とのリンクでDCブランドのブームは始まっていったわけです。

 当時の雑誌には、次のような記述も残されています。

「(19)83年には全館に入り、“丸井でDCものを買う”という考えがすっかり定着したのもこのころ。学生時代、ちょっと手が出なかった憧れのデザイナーの服を丸井の赤いカードを利用して手に入れた人が、きっと世の中にはわんさかいるはずだ」(『Hanako』1989年10月19日号)

 とりわけDCブランドのブーム最盛期の1987年1月のバーゲンで、新宿ヤング館に4500人が行列するまでになりました。一番乗りは前日の夕方18時から並び、行列は伊勢丹の裏からさらに先へと延び続けていたと記録されています。

ブラック系ファッションを定番化させた功績


【調査結果】ファッションは今や「買ったら売る」が当たり前の時代?

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