アド街、モヤさま、家族に乾杯……なぜ「散歩番組」は大人気になったのか? 外出自粛のいま考える

テレビを付けていると、散歩番組を見かけない日はありません。なぜここまで増えたのでしょうか。その背景について、社会学者で著述家の太田省一さんが解説します。


地元の人たちが慣れ親しんだものを取材

 一方、「出没!アド街ック天国」は、ひとつの街の魅力をランキング形式で紹介し、宣伝するバラエティー番組。愛川欽也が初代で現在は井ノ原快彦が務める司会には、「あなたの街の宣伝部長」という肩書がついています。

 この番組でも、全国的に有名な観光地や特別なグルメではなく、地元の人たちが慣れ親しんだ商店街、通り、食堂や喫茶店などがメインに紹介されます。

 つまり、ここでも「普段着の街」が主役です。芸能人や有名人が街を散策するスタイルではありませんが、その点でこの番組も現在ある散歩番組のパイオニア的存在です。

「鶴瓶の家族に乾杯」のウェブサイト(画像:NHK)

 特に「出没!アド街ック天国」の場合には、“東京再発見”という側面があります。

 箱根など観光地が特集されるときもありますが、主として東京にある街々が特集されることが多く、そこには「普段着の東京」を見る楽しみがあります。

 テレビはとかく流行やイメージを追いがちですが、この番組が取り上げる東京の街は必ずしもそうした街ばかりではありません。

「東京のすき間」を見つけた「アド街」

 例えば、初回の街は代官山、そして西麻布、神楽坂、下北沢、白金……と続いていきました。

 確かに代官山などはいまやおしゃれな街の代表ですが、1995年当時はまだそこまで誰もが知っているという街ではありませんでした。少なくとも、新宿や渋谷、銀座といった全国的に知られた繁華街を初回に取り上げなかったところに、番組制作側のはっきりした意図がうかがえます。

 その後も「出没!アド街ック天国」では、メジャーな街の一方、名前は聞いたことがあってもどのような魅力があるのかまだあまり知られていないような街がたびたび取り上げられてきました。

立石の商店街の様子(画像:写真AC)

 例えば、東京を走る私鉄沿線の街である千歳烏山、祖師ヶ谷大蔵(以上、世田谷区)、青物横丁(品川区)、立石(葛飾区)などはそうした街でしょう。いわば「出没!アド街ック天国」は、「東京のすき間」に番組としての鉱脈を発見しようとしたのです。

地元民の予想外のリアクションが魅力


【懐かし画像】大江麻理子アナ時代の「モヤモヤさまぁ~ず2」のカットを見る

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