それでも『100日後に死ぬワニ』が好き――渋谷の「追悼ショップ」を訪れるファンそれぞれの思いとは

2020年3月23日

ライフ
ULM編集部

連載中も連載終了後も、さまざまな議論を巻き起こし、社会現象と呼ばれるほどの反響を呼んだ漫画『100日後に死ぬワニ』。批判の声もあるなかで関連グッズを買いにに訪れたファンは、どのような思いを抱えているのでしょうか。


「毎晩、娘に読んで聞かせていました」

「自分自身も自分の家族も、例えば1日後、1時間後、10分後に死ぬかもしれないんだ――。そんな、日常で考える機会のない示唆を作品からいただきました。それも毎日」

 静岡県御殿場市から訪れた35歳の女性会社員は、連載初日から見守り続けた「100ワニ」の感想をいとおしそうにそう話します。

 100日後に死んでしまうというのに、それを知らない主人公のワニは、怒ったり落ち込んだり立ち直ったりを繰り返しながら、毎日を誠実に生きていた。その姿勢に胸を打たれたと言います。

 買い物かごに入れたハンカチやシールは、ふたりの娘にあげるおみやげ用と、自分自身で持ち歩く用。「死について考えさせられた100日間の思いを、ことあるごとに思い出せるように」身に着けておきたいとのこと。

数多くのファンでにぎわう渋谷ロフトの特設売り場(2020年3月23日、遠藤綾乃撮影)

 毎晩4コマを読み聞かせていた2歳の次女は、「ワニさん、死んじゃったの?」と死をまだ理解できていない様子。「もっと大きくなったら、また読んであげたいと思います。年齢によって、受け取り方もどんどん変化していくのでしょうね」

「違和感の正体を確かめに来た」

 練馬区に住む32歳の男性会社員は、少し遠くから売り場を眺めた後、何か決心するような神妙な表情で足を踏み入れました。

「『死』をテーマにしている割に、キャラクターはかわいらしくて、ポップで、死についての直接的な描写もなかった。淡々と日常が続いていって、最後は遠回しな表現で、あっけなく終わってしまいました。かと思えば終了直後から『商売主義』とたたく声が上がって、そのせいで作品の意味とか十分に議論されないままになっているのが、すごく気になっています」

「作品を読み続けるなかで自分のなかに起こった(死についての)問いや違和感が残り続けていて、この違和感は何なのだろうと、それを確かめたくて今日足を運びました」

 作品は果たして単なる「100日間の娯楽」として、さらには「商業主義」との批判対象として消費され、終わってしまうのだろうか――。そう懸念していた男性は、店内の熱気を見まわし、「そんなことなさそうですね」と少しホッとしたような表情を見せました。

「生きるって、そういうことだ」


【画像】『100日後に死ぬワニ』渋谷ロフトで販売されている関連グッズ

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