『孤独のグルメ』と『トライアングル・ブルー』~ふたつの深夜ドラマが映し出した東京の「昼と夜」の顔とは

大都市・東京にはビジネスの中心地としての慌ただしい昼の顔と、華やかな夜の顔があります。ただそのどちらにも共通するのは現代的な「孤独」です。そんな東京を社会学者で著述家の太田省一さんがふたつの深夜ドラマから読み解きます。


時代とシンクロしたエンディング曲「六本木心中」

 そんな雰囲気にもぴったりだったのが、このドラマのエンディング曲だったアン・ルイス「六本木心中」(1984年発売)です。作詞は湯川れい子。

1984年に発売されたアン・ルイス「六本木心中」(画像:VICTOR ENTERTAINMENT,INC.、(P)(C)WATANABE MUSIC PUBLISHING CO.,LTD.)

 アン・ルイスはバラエティーでも活躍しましたが、歌手としての力量も確かで数多くのヒット曲を生み出しました。中でもこの「六本木心中」は、時代とシンクロした名曲と言えるでしょう。

 この歌の主人公は、さめたクールな生きかたと情にもろいウェットな生きかたとのあいだで揺れています。

「遊び相手となら お手玉もできるけど いつか本気になるのが恐い」

 流行の最先端を行く街である“六本木”とその対極にあるような“心中”をつなげた曲名が、まさにその象徴です。

安心して孤独でいられる街「東京」

 当時、若者たちは古い時代の価値観にとらわれない「新人類」などともてはやされました。しかし、『トライアングル・ブルー』や「六本木心中」の登場人物のさめた外見の背後には、湿った情緒が潜んでいました。

 それはどこか演歌的でもあります。とんねるずがやはり秋元康の詞によるパロディー風演歌「雨の西麻布」(1985年発売)をヒットさせたのが『トライアングル・ブルー』の放送と同時期だったのも、あながち偶然ではないはずです。

「六本木心中」は、

「夜更けに目を覚ませば BIG CITY IS A LONELY PLACE」

というフレーズも印象的です。

孤独な東京のイメージ(画像:写真AC)

 毎晩六本木に集まって仲間とわいわい騒いでいても、家に帰ってひとりになるとふとしたときに孤独が押し寄せてくる。そんな大都市・東京のなかの孤独は、『トライアングル・ブルー』の若者の抱く感傷にも通じるものでしょう。

 とは言え、孤独であることはネガティブなばかりではありません。むしろ東京は、安心して孤独でいられる街でもあります。

孤独だけど幸せな『孤独のグルメ』


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