日本を覆う「自粛ムード」から解放されるために私たちが考えるべきいくつかのこと
2020年3月15日
ライフ新型コロナウイルス感染拡大を受けて、日に日に高まる「自粛ムード」。日本経済を打撃しかねないこの「空気」の中で、われわれはどのように考え、行動したらよいのでしょうか。日沖コンサルティング事務所代表の日沖健さんが解説します。
高齢者こそ外出を自制するべき
逆に、同調圧力に影響されにくいのが高齢者です。

高齢者は元々頑固で、特に今の70歳以上は世代的に成功体験が豊富なため、「俺は大丈夫」「俺には俺のやり方がある」と自信満々。周囲の制止を振り切って、カラオケに宴会に出歩いている元気な高齢者が多いようです。
本来、感染しにくく、感染しても重症化しない若い世代が(支障ない範囲で)出歩き、高齢者こそ外出を自制するべきですが、真逆の状態になりつつあります。
同調圧力を掛ける側も問題
一方、他人に同調圧力を掛ける側の問題もあります。主流の世論が形成されると、自分がそれに従うだけでなく、世間の人にも同調するよう求めることがあります。そして、時に同調しない他人を激しく攻撃します。
今回、東京事変・椎名林檎さんがコンサートを強行したことに対し、ネットでは猛烈なバッシングが起こりました。言っていることは正論ですが、その攻撃的な調子は単なる批判を超えて、自分の考えに同調しない相手への憎悪を感じさせました。

どうして自分が同調するだけでなく、他人に同調を強く迫るのでしょうか。おそらく、自分が信頼を寄せる多数派意見が揺らいでしまうことへの不安や自分の思い通りにならないことへのいら立ちがあるのでしょう。
不安やいら立ちはわかります。他人のことを嫌う、憎むというのも個人の自由です。
ただ、同調圧力に影響されやすい日本人が多いという現状で、「こういうときに酒を飲むべきではない」「人と会うべきではない」といった正否が不確かな意見への同調を他人に迫ると、本人は“正義の味方”のつもりでも、結果として社会を悪い方向に推し進めてしまいます。
SNS(会員制交流サイト)を使って、誰でも自分の意見を自由に表明できる現代。だからこそ、他者に同調を迫る発信の影響には注意したいところです。

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