肉厚の身がとろける!鰻屋の娘が選ぶ「外さない江戸前鰻屋」(後編) | 江戸グルメ(2)

2018年11月1日

お出かけ
ULM編集部

江戸に端を発する東京の本当に美味しいものを紹介する本連載。前編に続き、江戸前うなぎ屋3選の残り2店を紹介します。旨みたっぷりの、うなぎそのものの質に徹底的にこだわる名店です。


天然に近い状態で養殖「共水うなぎ」のとろける食感

 まず、うなぎは特定の静岡の養鰻場から直接仕入れる「共水うなぎ」を100%使用。共水うなぎは同県の大井川の伏流水で、天然に近い状態で時間をかけて育てられています。そのため運動量が多く、身が引き締まっているのが特長です。また、澄んだ水のなかでいい餌(ホワイトミル)を与えて育てているため、全く臭みがないといいます。

静岡の養鰻場から仕入れている共水うなぎ(画像:龜屋 一睡亭)。

 この共水うなぎの美味しさを最大限に生かすため、同店で何より大切にしているのが「鮮度」。客数を予測しながらから少しづつ白焼きにし、厨房との連携により蒲焼にするまでの時間を極力短くします。

「白焼きを余らせて、次の日に使うということはありません。蒸しや焼きにも増して、鮮度を命にしていますから」と語気を強める荒川さん。

白焼きを創業以来の継ぎ足しのタレにくぐらせる様子(画像:龜屋 一睡亭)。

 店を訪れる「8割の人が注文する」という人気の「蒲焼御膳コース」を試食してみました。蒲焼はうな重(松)に変更可能としていて、うな重(松)単品が4300円(税別、以下同)なので、同コースの6600円はかなりリーズナブルです。

一番の人気メニュー、1汁4菜の蒲焼御膳コース(画像:龜屋 一睡亭)。

 一品目は先代からの名物という胡麻豆腐。胡麻の香り高さやモッチリとした食感の良さもさることながら、自家製胡麻味噌ダレの濃厚なコクと芳醇さが絶品でした。

名物の胡麻豆腐。単品は500円(画像:龜屋 一睡亭)。

 季節感を湛えた前菜に続くこの日(10月初旬)のお造りは、身の引き締まったヒラマサとマグロ。白身魚は長崎県きっての好漁場、九十九島で揚がるタイやヒラメ、ヒラマサなどの高級魚を一年を通して提供しているそうです。

うなぎを一匹使ったうな重(松)(画像:龜屋 一睡亭)。

 4品目の茶碗蒸しを平らげると、いよいような重が登場。食欲をそそる芳しい焼き色に、旬を物語る肉厚のうなぎ。口にすると、皮目の歯ごたえの後にうなぎがあっという間にとろけ、なだれ出るような旨みに、思わずうなりました。

「生産者によると、共水うなぎは脂が霜降り状態になっているそうです」と荒川さんに聞いた時はあまりイメージできませんでしたが、確かに、質の高い霜降り肉が舌の熱で一瞬にして溶けていくかのような食感。それでいて、脂が全くしつこくなく、箸が進みます。

 ご飯も鮮度を大切に、炊きたてを出すべく少しずつ炊いているとのこと。お米は北魚沼産コシヒカリに限定。北魚沼は山間部にあるため、天然のミネラルを含んだ雪融け水が田に流入してくることや、気温差があるため、甘みのある、滋味に富んだ米ができることからだそうです。

 このコシヒカリの甘みが、噛むほどにあっさりしたタレにいい塩梅で加味され、そこに「霜降りうなぎ」が溶け込み、至福の味わいを堪能できました。

 デザート(コース外)の小倉アイス最中も、先代が江戸期から続く和菓子屋の息子であったという流れが窺われる美味しさ。

小倉アイス最中 2個600円。職人が1枚ずつ手焼きしている輪種(皮)が気持ちいいほどパリッとしていて、食感と味わいのアクセントになっている(画像:龜屋 一睡亭)。

 全てにいい食材を使い、鮮度を大切に納得のいく味を。その「半端ない実践力」を感じさせられた店でした。

3店目の最低限にして最大のこだわりとは?


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