岩崎宏美『思秋期』――深川の歌姫による物憂げかつ朗々とした歌声 江東区【連載】ベストヒット23区(13)

人にはみな、記憶に残る思い出の曲がそれぞれあるというもの。そんな曲の中で、東京23区にまつわるヒット曲を音楽評論家のスージー鈴木さんが紹介します。


岩崎宏美が見た青春とはどのようなものだったか

 が、今回「ベストヒット江東区」に推したいのは、筒美京平ディスコ系ではなく、三木たかしが作曲した名曲 = 『思秋期』(1977年)です。作詞は変わらず阿久悠。王貞治が「ホームラン世界新記録」の通算756号を打った日の2日後 = 1977年の9月5日の発売。

1977年9月に発売された岩崎宏美の『思秋期』のジャケット(画像:(P)(C) Victor Entertainment)




 高校卒業から半年ほどたって、もうすぐ19歳になる女の子の、青春時代を振り返るモノローグが、同じく19歳ちょっと手前の岩崎宏美の、物憂げかつ朗々(奇妙な表現だけれどそういう感じ)とした歌声と相まって、見事に美しい世界を生み出します。

 最強のパンチラインは――「青春はこわれもの 青春は忘れもの」。

 深川出身のチャキチャキした女の子が東京湾を見ながら、青春を振り返っている間に、目の前に広がる海は埋め立てられ、いくつもの公園が広がり、いくつものライブハウスが作られ、壊されました。

 そして、その女の子は、ひとりの女性になり、時が過ぎて還暦を超えても、まだ物憂げかつ朗々とした歌声を響かせているのです。


【画像】デビュー45周年 今も変わらぬ「岩崎宏美」の姿を確認する

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