猫は人間に寄生する? 映画『キャッツ』と『パラサイト』に寄せて【連載】月刊 猫を読む(2)

猫が好き、読書も好き――そんなあなたのために、猫にまつわるたくさんの本と4名の猫店員がいる書店「キャッツミャウブックス」(世田谷区若林)店主の安村正也さんが、毎回とっておきの本をセレクトしておススメします。


「猫はこうして地球を征服した」

 そんな『キャッツ』の一方で、大絶賛されているのが『パラサイト 半地下の家族』。非英語映画として初めてのアカデミー賞作品賞を受賞したこともあって、既に劇場へ足を運ばれた方も多いと思います。しかし、なぜ『キャッツ』の後に引き合いに出すのか。それは、この映画にも猫が出てくるからです!

 みなさん、高台にある豪邸で飼われている犬のことは印象に残っていると思いますが、裕福ではない主人公家族が暮らす地区のシーンで、猫の鳴き声がしたことを覚えていますか? 高級住宅街と半地下の建物があるようなエリアとでは、犬と猫が対照的に扱われているのです。

 この「パラサイト」、言葉としては「寄生生物」という意味ですが、猫の体内にも、人間の行動に多大な影響を与えているかもしれない寄生生物がいることをご存じでしょうか。

猫本専門書店「キャッツミャウブックス」の猫たちと今回紹介した本(画像:安村正也)

『心を操る寄生生物 感情から文化・社会まで』(インターシフト)で紹介されているのは、猫から人間へと感染し、脳に住みつくトキソプラズマ原虫。感染すると気分や性格が変わって、統合失調症が発症する可能性も高まるのだそうです。

 ネズミが感染した場合は、猫に引きつけられるように嗅覚が変化し、捕食されやすくなってしまうらしいのですが、なんと人間でも(特に男性は)猫のおしっこの臭いを好ましく感じるようになるのだとか! ひょっとして、猫は寄生生物を使って人間や他の生物を支配しようとしているのでは……?

 そんな疑念を深掘りした本のタイトルが、そのままズバリ『猫はこうして地球を征服した 人の脳からインターネット、生態系まで』(インターシフト)。

 猫はいかにして人間の生活や心の中に入り込み、われわれだけでなく、生態系も征服していったのか。星新一の名作ショートショート「ネコ」(『きまぐれロボット』所収)のように、エイリアン的な存在であった猫が、この星の実質的な支配者となっていく様が多面的に考察されています。

 読み終えた後、けなげに猫の世話をしている人間の姿(筆者も含む)を思い起こすと、猫が人間に寄生しているのではなく、人間が猫さまに「寄生させていただいている」気がしてきます。

身も心も猫に乗っ取られる?


【画像】「キャッツミャウブックス」の猫たちと今回紹介した本

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