よくある若い男女の恋愛話と思いきや、実は人間と動物が結婚しちゃうディープなお話『お若伊之助』【連載】東京すたこら落語マップ(7)

落語と聞くと、なんとなく敷居が高いイメージがありませんか? いやいや、そんなことないんです。落語は笑えて、泣けて、感動できる庶民の文化。落語・伝統話芸ライターの櫻庭由紀子さんが江戸にまつわる噺を毎回やさしく解説します。


お若に会いに行ったのは誰だったのか

 そのうち、お若が懐妊した。これには武骨な叔父もさすがにわかる。相手が伊之助とわかると、間に入っている初五郎を呼んだ。

 初五郎に、伊之助がやってきてお若と逢瀬を重ねていることを告げると、初五郎は両国の伊之助のもとに向かった。「お嬢さんとまだ会っているたあ、ふてえ野郎だ、首を出せ」。しかし、伊之助は「昨日は初五郎さんと一緒に吉原にいったじゃありませんか」。

 急いで初五郎が叔父のもとに戻り事情を話すと、「お前が酔っぱらっている間に根岸に向かったのではないか」。確かに、吉原から根岸までには遠くはない。「ふてえ野郎だ」と再び両国へ走る。

 伊之助が話を聞くと「昨日は一緒に夜通し起きていたじゃありませんか」。そうだったと叔父のもとに戻り、「昨日お嬢さんのもとに行ったのは、伊之助ではありません」と説明する。

 では、一緒に見届けようと、初五郎は叔父と一緒に夜を待つことに。みると、やってきたのは確かに伊之助。叔父は種子島の火縄銃に火種を詰めると、伊之助の胸に狙いを定め引き金を引いた。

 どっと倒れた死骸の側に行ってみると、伊之助と思ったのは大きな古だぬきであった。お若が伊之助を思う焦がれるため、たぬきが伊之助に化けて毎夜通っていたというわけだった。

 月が満ちたお若が産んだのは、双子のたぬきであった。葬ったあと塚を立てた。根岸御形の松のほとり、因果塚の由来。

※ ※ ※

時代は明治 そして舞台は根岸から神奈川へ


【地図】『お若伊之助』に出てくるスポットを事前に確認する

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