700体の「ひな人形」で出雲・因幡の神話を再現 ホテル雅叙園東京の「百段雛まつり」とは
2020年2月20日
ライフ3月15日まで「ホテル雅叙園 東京」で行われている「百段雛まつり2020 出雲・因幡・萩ひな紀行」を、フリーライターの立花加久さんが取材しました。
目黒なのにアモーレ! カンターレ! マンジャーレ!
そんな非日常的なひな人形のパノラマ世界の次に訪れたのは、お座敷宴会が執り行える「草丘(そうきゅう)の間」とい名の大広間です。

ここでは先ほどとは打って変わり、部屋の照明を落として窓からの外光を取り込んだ落ち着いたムードです。部屋の真ん中にあえて洋風の長テーブルを置き、「雛のしつらえ」と名付けた現代の生活スタイルの中で、ひな人形の楽しみ方を提案する展示スペースとのこと。。
「イタリア語のアモーレ! カンターレ! マンジャーレ!ーー愛して、うたって、食べての要素が全てそろっているのがおひなさまなんです」
と語るのは「雛のしつらえ」を監修した、インテリアコーディネーターの石橋とみ子さんです。まさにここは、ポジティブに生きる現代女性のためのパーティー会場といった趣です。
ひな人形の歴史は、平安時代から
ひな人形の歴史は、平安時代にさかのぼります。人型をかたどった紙を川に流し、自分や家族に降りかかる災いをはらったそうで、陰陽師(おんみょうじ)の儀式にも通じます。なお陰陽師とは、国家や天皇家を呪術で守護したとされる官職です。
今回の人形展でも、鳥取県に伝わる郷土行事「流しびな」として紹介されていました。

ひな人形がまとう美しい柄の着物や、その細部にわたる精緻な装飾品や道具類は、世界に誇る日本の伝統工芸です。
日本人がこれほどまでに人形に精緻なリアルさを求め続けた本来の理由は、身代わりになってもらうにふさわしい説得力を人形のビジュアルに持たせるためだったのかもーーと想像してしまいました。
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