2020年「オリンピック婚」はおひとりさまだらけの東京で盛り上がるか?【連載】TOKYO恋愛事変(2)

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2020年「オリンピック婚」はおひとりさまだらけの東京で盛り上がるか?【連載】TOKYO恋愛事変(2)

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内藤みか

恋愛小説家

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最先端のトレンドを発信し続ける東京は、恋愛もいつだって新鮮。大人の恋模様を見つめ続ける作家の内藤みかさんがリポートする「TOKYO恋愛事変」、今回のテーマは「オリンピック婚がはやるって、本当?」です。

令和に変わった2019年5月、婚姻数は2倍に急増

 平成から令和に改元された2019年5月は、前年5月と比べての約2倍もの婚姻数となり、明らかに新元号を記念して婚姻届を出したカップルが大勢いたことを示しました。けれど2020年はオリンピックイヤーですが、東京オリンピック・パラリンピックだから結婚したい、という話をする人は、周囲に見かけません。

東京・札幌・長野……オリンピックイヤーは婚姻数が増える

 1964(昭和39)年の東京オリンピックではテレビ購入者が激増しました。せっかくのオリンピックをしっかりと観戦したいという気持ちもあったと思いますが、前から欲しいと思っていたけれど高価なのでためらっていた人たちが、オリンピックというきっかけに背中を押されて購入したのだろうと思われます。では結婚はどうでしょうか。

 人々は何らかの理由を引き金に、大きな決断に踏み出すことが多いのです。過去、オリンピックが行われた1964年(東京)、1972年(札幌)、1998年(長野)はいずれも、前年より婚姻数が伸びました。そして翌年には軒並み数字がダウンしています(厚労省「人口動態統計」)。つまり、オリンピックイヤーに狙いを定めて婚姻したカップルが多かったということではないでしょうか。

過去には「ミレニアム婚」や「ミレニアムベビー」も

 ミレニアム婚と言われた2000(平成12)年は、どうだったでしょう。やはり前年より婚姻数は多かったですが、その翌年にダウンするということはありませんでした。子どもの出生数については前年より数が多く、翌年はダウンしたので、ミレニアム婚よりミレニアムベビーのほうが影響は大きかったのかもしれません。

幸せな結婚式を挙げる新郎新婦のイメージ(画像:写真AC)



 では令和婚はどうだったかというと、実は2019年は婚姻数、出生数ともに前年の数字を上回ることはありませんでした。元号が切り替わった5月だけに婚姻が集中しただけで、年間を合計すると数は増えなかったという結果になったのです。これらの数字の動きを見てもわかるように、もう国民的イベントは人々の結婚のきっかけになり得なくなっているのです。

イベントに後押しされるのは、一部の人だけ

 私(内藤みか。恋愛小説家)は、東京オリンピックが行われる2020年も、おそらく婚姻数はそれほど伸びないのではと考えています。今まではお祭り騒ぎに自分たちも加わりたい、その方が記念になるのでは、などというノリの良さを持つ人が多かったようですが、今は「そもそもなぜオリンピックだから結婚しなくてはならないのだろう」と、いったん立ち止まって考える人が増えているのです。

 もちろん私の周囲でも、「今年こそ結婚を」と言っている人はいます。けれどそういうことを言っているのは、何年も付き合ってきたカップルが「これを機に」というような、特定の長期交際カップルがほとんどです。記念イヤーにかこつけて勢いやノリで結婚を急ぐような人は、激減しているのかもしれません。

おひとりさま歴が長い人は結婚のタイミングもマイペース

 特に東京都は平均初婚年齢が男女共に30歳を超え、全国一晩婚です。ひとり暮らし歴が長く、おひとりさまライフを堪能してきた適齢期の男女は、自分のことを自分で決めるという暮らしに慣れています。結婚の時期もイベントごとにあおられず、自分で決めたいのでしょう。

 確かに、オリンピックだからと急いで婚活をし、焦って相手を決めても良いことはありません。とはいえ、普通に交際しているままでは、結婚のタイミングがなかなかやってこないことでしょう。イベントとは関係ない自分なりのタイミングとは、どのようなことなのでしょうか。そこには意外なことに「ご縁」や「運命」などという感覚が含まれているようなのです。

結婚の決め手となる? 「偶然」と「ホーム感」

 私の周囲でアラフォーの女性が婚姻届の提出を決める理由で多いのは、「偶然」と「ホーム感」。たまたま会員制交流サイト(SNS)で地元の同級生を見つけ、久しぶりの再会を果たし、それが結婚へとつながる人を何人か見かけています。

 子ども時代の知り合いとの再会の何よりの強みは、ご家族がとても歓迎するということ。なぜならば、ご家族も子どもの頃のその男性を知っていたり共通の知り合いも多かったりするので、最初から強い結びつきを感じるからです。

ご縁があって結ばれた夫婦のイメージ(画像:写真AC)



 ほかにも、たまたま知り合った男性が同郷の人だった、もしくはご近所に住んでいた、というのも、強いご縁をお互いに感じるようで、結婚にスムーズに進みやすいようです。また、同じアーティストが好きだった、同じブランドが好きだったなど、自分がもともとなじんでいるものを相手も好きである場合も、運命を感じるようです。

いざ、ご縁につながりそうな場所へ

 最近「街コン」ならぬ「趣味コン」という婚活イベントが増加傾向にあります。「サッカー」「旅行」「アニメ」など、趣味をテーマに独身男女が集まるというものです。こうした場合、出会うのは自分と同じ趣味を持っているもの同士なので、話も弾みますし、ご縁も感じやすく、好評のようです。

共通の趣味を通じて仲を深める男女のイメージ(画像:写真AC)



 マッチングアプリがあふれる現代、今や出会いの機会は大量にあります。人々が望んでいるのはもはや「出会い」ではなく、「ご縁」なのではないでしょうか。たまたま出会った人が優しいので交際したという場合は運命感に乏しく、結婚への決め手を作りづらいのですが、「この人とはご縁がある」と思える相手となら、結婚したほうが良さそうと思え、ゴールへと意識が向きやすいのです。

 オリンピックだから、という理由で自分の人生に関わる大事な決断をすることに、現代の独身者は納得できないのです。それよりは「特別な相手だと感じるご縁感」が求められているのです。婚活も、個人の特性に沿ったきめ細かい対応が必要になってきているのではないでしょうか。

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