ありがとう「としまえん」 閉園検討の今こそ、振り返るべき歴史がある

このほど閉園することが発表された遊園地「としまえん」。その知られざる歴史について、フリーランスライターの小川裕夫さんが解説します。


1965年に世界初の「流れるプール」オープン

 1927(昭和2)年、武蔵野鉄道が豊島線を開業。これにより、豊島園までの鉄道でのアクセスが整備されます。鉄道アクセスが整備されたことと同時に、武蔵野鉄道は園内の遊具の充実を図ります。その際に目玉になったのはウオーターシュートとよばれる遊具で、そのほかにも演芸場や音楽堂などが整備されました。

 また、武蔵野鉄道は森永製菓にスポンサーとして協力を仰ぎ、入園料の割引を実施。家族で楽しめることを全面的に打ち出して、来園者を増やしました。

 戦後、としまえんは遊具を増やして人気を高めていきます。1955(昭和30)年には観覧車、1958年には世界初の屋内スキー場、1965年には世界初の流れるプールとローラーコースター「サイクロン」、1973年には波のプールといった具合です。

 特に、ローラーコースター「サイクロン」は多くの子どもを魅了することになり、としまえんの人気を不動のものにしました。

としまえんの入り口付近の様子(画像:(C)Google)

 1991(平成3)年、練馬~光が丘間で都営地下鉄12号線(現・大江戸線)が部分開業を果たします。現在、東京都心部をぐるりと回っている大江戸線ですが、このときは一部の区間が開業しただけ。東京の片隅を走るだけだったため、大きなトピックにはなりませんでした。改めて、大江戸線が注目されるのは2000年の全面開業時です。

時代といえば、それまでだが……

 バブル期、としまえんは年間400万人もの来園者を集めました。しかしピークを過ぎた近年は、入場者数が年間100万人前後まで落ち込んでいます。

 ライバルとなる大型テーマパークの台頭やレジャーの多様化といった理由もあって、としまえんは苦戦していました。それでも、2016年には開園90周年を迎えています。

 としまえんは、間もなく開園100周年を迎えるところでした。それが一転して、閉園という寂しいニュースが報道されてました。

練馬区役所展望台からとしまえん方向を望む(画像:写真AC)

 時代といえばそれまでですが、練馬区の兎月園、板橋区の遊泉園、朝霞市の朝霞テックのほか、短命に終わった練馬区の富士見台ファミリーランドといった近隣の遊園地・遊戯施設に比べて、としまえんは長きにわたって子どもたちをとりこにしてきました。それだけに、思い出もたくさん詰まっています。

 閉園を惜しむ人は少なくありません。


【地図】いまさら聞けない? 遊園地「としまえん」の場所を確認する

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