広尾の「小さなレストラン」に訪れた閉店の危機 店を救ったのは地域の「寂しくなるよ」の声だった

2020年1月31日

お出かけ
ULM編集部

渋谷区広尾にある小さなレストランが、2020年2月、共同オーナー制の創作料理レストランとして生まれ変わることになりました。一時は閉店の危機にひんしていた同店の再起の物語には、地域とのつながりを築き、さまざまな人と共同で事業を展開するためのヒントが満ち満ちています。


「こんなに愛されているのに、もったいない」

 近藤さんにとって驚きだったのは、店にいたほんの1、2時間の間に、近所に住む常連客たちが何人も店をのぞき込んでは田中さんに声を掛けていったことでした。

「何、やめちゃうんだって? もう決めちゃったの?」

「いつも寄らせてもらってたから、寂しくなるよ」

 そのやり取りを見たとき近藤さんは、「こんなに地域に愛されているのに、閉めちゃうなんて絶対にもったいない」と思ったそうです。

 続けられるものなら本当は続けたい、という田中さんの思いを確認したうえで、お店を存続させる方法はないものかと考えを巡らせ始めました。

いろんな人とつながり、共同で事業を支える

 総務省の「地域力創造アドバイザー」でもあり、地域コミュニティーの再構築などに取り組む近藤さん。「飲食店に限らず、たったひとりでスモールビジネスとして事業を継続させていくというのは、並大抵ではありません。だからこそ、いろいろな人とつながり協力し合いながら。持続可能な運営の仕組みを作っていく必要があると私は考えます」。

 レストランを続けるための手法として、比較的少額の出資で数十人~100人規模のオーナーを募り、皆でアイデアを出し合いながら店の経営をかじ取りしていく、という青写真を描きました。集まった出資金は、調理設備や内装の必要な改修費用に充てるという算段です。

「出資額は10万円です。1回きり10万円の出資で、広尾のど真ん中に『自分のレストラン』を持てて、そこを自分の発信拠点としても活用できるなら、話に乗ってくれる人は何人かはいるんじゃないかな、と考えたのです。でも、ふたを開けてみたら想像以上の反響があって私自身驚きました」(近藤さん)

田中さんが作る料理のひとつ。飾らない、素材そのもののおいしさが際立つ(2020年1月29日、遠藤綾乃撮影)

 2019年11月半ば、

「唐突ですが、広尾で共同オーナー制一軒家レストランやるとしたら興味ある人いますか?」

とフェイスブックでつぶやいたところ、友人たちから反応があり、「いいね!」の数はたちまち200件を超えました。田中さんが賃貸解約する予定だったレストラン物件の大家さんとの打ち合わせを取り付け、契約の延長が決定。レストラン再出発に向けたプロジェクトは瞬く間に動き出しました。

町と人のつながりを豊かにする仕組み


【画像】「地域と人をつなぐ」コミュニティー型レストランって、どんなところ?

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