接客サービスより断然「味」を重視――外食ユーザーの志向が変化している

トレンドが毎年大きく変わり続ける外食業界。そんななか、2020年は「おもて無グルメ」が注目されるといいます。いったいどのようなグルメなのでしょうか。ホットペッパーグルメ外食総研・上席研究員の稲垣昌宏さんが解説します。


「スマイル = 0円」の時代は終わった

 飲食業界側の経営環境は2019年、大きく変わりました。変わったのは、従来からの人手不足に加え、軽減税率対応やキャッシュレス推進といった、お店のオペレーション。

 そんななか、対価が曖昧だったサービスについて、業界側では価値の高いもの/低いものの仕分けや、省力化するもの/やめるもの/価格転嫁するもの、などの選別を進めてきました。もはや「スマイル = 0円」で提供できる時代ではなくなったのです。

 冒頭で紹介したように、消費者が外食に求める優先順位と業界側の都合(人件費高騰など)を掛け合わせたとき、ニーズの接点であるサービスを省力化して、その分料理につぎこんだ「おもて無グルメ」に注目が集まるのは当然の流れです。

 実際に前述の調査でも、そのようなお店を今後利用したいという消費者は74.9%もいました。特に20代の男女や30~40代女性で利用意向が高く、今後の「おもて無グルメ」の伸びしろであることを示しています。

「おもて無グルメ」の今後の成長性(画像:リクルートライフスタイル)

 外食業態ではこれまでも、立ち食いで利用者の回転率を高め、その分を食材の原価に回すなど、さまざまな試みがされてきました。この延長として、ITなど各種テクノロジーを駆使し、料理のセルフオーダー化や本格料理のファストフード化を行った試みが、あちこちで始まっています。

日本式サービスの換金化を

 また、サービスの対価がサービス料やチップとして可視化されている海外に比べ、日本は「おもてなし」の名目でサービスが無料提供されていたり、「お通し」のような、海外の人にはわかりづらい商習慣になっていたりします。

日本と海外における商習慣の違い(画像:リクルートライフスタイル)

 無料提供を「おもてなし」として誇りに思うのも結構ですが、サービスを換金化できていないのは日本にとって損失です。サービス料をいただいた上でも、「日本のサービスは素晴らしい」と言われたときに初めて、日本でサービス業がプロの職業として確立されたと言えるのではないでしょうか?

 2020年はサービスと料理の価値それぞれに明確な対価をいただき、日本としても、外食産業としても、持続可能な成長につながる元年となることを期待しています。


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